WISE SCAPE - ワイズスケープ / 福島の木造注文住宅、住宅設計

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端正な平屋の家

端正な平屋の家

本燻しの和瓦が端正な平屋の家。
玄関をあければ、土間玄関と、正面には昔懐かしい階段箪笥がお出迎え。こちらただの飾りではなく、小屋裏へ向かう文字通り「階段」の役目も担っている現役の階段箪笥です。
一方で、ふと顔を横に向ければ簀戸を通してLDKの光がほのかに差し込んできます。その簀戸をあければ、広々とした一体型のLDK。床は栗に天井は杉板、土物の壁でざっくりと仕上げた壁天井が落ち着きを生んでいます。こちらはあえて木部には色をつけ、明るさよりも明暗、重心の低さ、キッチンの水屋箪笥、ヴァセリンランプの照明、そして障子など調度品との調和に重きを置き、全体としてアンティーク、大正モダンの雰囲気を創出。何とも言えない落ち着きのある空間です。

大開口の木製サッシはお庭ともつながり、川の流れる四季折々のお庭の景色を目と音で存分に味わえます。

一方でキッチンはモダンでかつ最新のつくり。お馴染み弊社のオーダーメイドキッチンですが、昇降式の吊り戸に、水返しのついた特注シンク、調味料入れも設えたステンレスの壁に、ミーレ食洗機と多種多彩。調理を気兼ねなく楽しめるようデザインされています。

小上りとした和室も、単純な「和」というよりも、和洋折衷のつくりに。網代天井に、趣向を凝らした和紙で設えた建具が品を添えます。畳以外の床は青森ひば。畳とひばの香りが和室の空間をもてなします。

水回りはクラシックかつ由緒あるホテルをイメージ。ビールストーンという特殊な左官で仕上げ、かつガラスを用いて空間に広がりとつながりを。様々に収納を設け、収納量、使い勝手ともに抜群です。トイレは車いすでも使いやすいよう広々と。アクセントで大谷石も採用しました。

浴室もオリジナルのオーダーメイド。浴槽周りはモールテックスという左官で仕上げ、木部には青森ひばを。坪庭ともつながり、まさに温泉気分。左官や木、自然の素材を組み合わせ、水回りでさえ自由自在に空間をつくりあげるのはまさに弊社の真骨頂。

寝室はクローゼット、家事室を一体の空間構成に。
ミーレ洗濯乾燥機はもとより、大容量の収納、物干しも併設し使い勝手よく仕上げました。また、お客様がお持ちの欄間を利用して照明をつくり、より落ち着いた光をデザイン。南側も簀戸で光をコントロール。障子も相まって、特別かつより落ち着いたまさに「寝室」です。

お施主さまとの出会いは弊社の1枚の広告からでした。
ただ、高断熱、高気密、所謂「高性能」の住まいが絶対条件、というお施主さまと弊社のオーダーメイド住宅では所謂「性能」の部分では考え、価値基準に相反するところがありました。しかし、お施主さまは「性能」だけではなく「プラン」「意匠」「情緒」も同じぐらい重要、というお考えで、自身のその思いを真正面から受け止めてくれるところがなく、どこに依頼したらよいのか悩んでいる折、先の1枚の広告が目にとまり弊社へと足を運んで頂きました。
その後、様々なやりとりを経て弊社で家づくりを進めることになりましたが、弊社へ依頼を決めた決定打は前述の通り「すべてを真正面から受け止めてくれたから」(お施主さま談)とのこと。

何れにしても現在日本で「数値として」認められている性能値としての「最高値」を達成することが絶対条件ということで、正直弊社でも初めての試みとなりましたが、家のつくりそのものから「性能」対応へ見直し、かつプラン、意匠、情緒性も妥協することなく造り上げ、木材や左官材、紙など自然素材をいかした仕上がりの意匠は勿論、所謂「性能値」でも最高数値(※)を取得しました。

お施主さまの思いを受け止め、伴走し、形にして心地よい住まいを作り上げる。弊社の住まい作りの基本です。お施主さまの住まいへの様々な思いやヴァセリンランプ、古建具などの調度品、更に性能値。それらを諦めることなく融合し、数値でも情緒でも実現した、その「作り切る技術」こそが弊社のオーダーメイド住宅の本当の意味での真骨頂。そんな、「作る技術」が結集した住まいです。

※ C値:0.27cm2/m2、HEAT20:G3(UA値:0.22W/m2・K)、耐震等級:3