ご夫婦が大らかな空と山並みが広がるロケーションに惚れ込んでご購入された敷地に建つ、屋根付き車庫を一体で備えた約41坪の家。
まずは恵まれた条件を活かし平屋をベースとした計画に。寝室も1階に設け、1階で全てが完結できるつくりとしています。

20畳の広々リビングは、太陽と南の風景の恩恵を最大限いかせるようあえて蛇行した形に。意図的に角をつくることで日当たりとそれぞれの場所の居心地の良さを同時に叶えます。タイルデッキは内と外を緩やかにつなげる効果も。
また、リビングの一画には畳スペースを設け、日常の家事、育児、団欒は勿論、客間としての機能もある万能なスペースとして計画しました。

家の中心には薪ストーブも備え、ぱちぱちと燃える火と音が家族を優しく暖かく、そして力強く包み込みます。

DKはリビングと程よく距離をとり朝日を感じられる南東に。また、隣接のパントリーからは玄関につながり、キッチンとダイレクトに行き来が出来ます。お馴染みの動線ですね。

玄関の一方は大容量の土間クロークとその先の洗面へ。こちらも何かと便利な動線です。

1階に設けた寝室はお庭も見える南側へ。朝日が差し込み心地良い目覚めを促します。柔らかな杉板の床、天井と中霧島の塗り壁で落ち着いた空間。寝室～ドレスルーム～洗面～浴室へとダイレクトに繋がる動線も便利。将来歳を重ねても1階だけで生活が出来る、平屋をベースとした魅力の一つです。

一方2階への階段を上がれば、目の前に安達太良の山々とその上に抜けるような空がパノラマのように広がります。2階は子供室だけのシンプルなつくりですが、この山と空の景色が一番のご馳走でまさにプライスレス。この景色をどう取り込むか。オーダーメイドデザインの真骨頂です。

敷地の魅力を最大限生かし、どうお客様の暮らしを組み込むか。そこに最大の思考を注ぐこと。それは何も特別なことではなく丹念に敷地とそこでの暮らしを読みこむことの積み重ねでしかありません。細かいデザインに凝ることや見た目の違いや新しさに注力することよりもずっとずっと大切なことがそこにはあります。

大らかな景色に囲まれた場所で、お客様の思いを載せた唯一無二の家の完成です。