もともと敷地に植わっていた記念樹である桜の木を、
家族のシンボルツリーとなるように提案・設計しました。
木々と共生し、経年変化も楽しめる住宅です。

外観は、シンプルな切妻屋根、
クリーム色のかきりしん土壁と、明るめの茶色に塗装された杉の板張りが、
優しい、柔らかい雰囲気です。

家族の「行ってきます」と、「ただまいま」を迎えるのは、
植栽の緑が映える、飛び石をイメージした遊び心あるアプローチです。

木の色が優しいLDKは、
南側ウッドデッキをL字に囲うような間取りになっています。
全開口し、木製サッシ、ガラリ網戸、障子と、季節や気候、時間帯によって自在に操れる開口部から
ウッドデッキ、そしてその先の庭へと視線が抜け、内と外を気持ちよくつなげます。
さらにLDKの中央には薪ストーブ。
文字通り家の中央で、家族を力強く、暖かく包むのはもちろん、火の効果で自然と家族を集めます。

吹き抜け部分の高窓から効果的に採光を取り入れ、
広さと明るさを感じる、居心地の良い空間を実現しました。
まさに家族の集まる、過ごす時間を大切にしたLDKです。

造作による、収納たっぷりのアイランドキッチン。
回遊式のため使いやすく、リビングから庭、デッキに面しており、
調理していても、家族の様子が伺えます。
また、デッキや外へすぐ出れるため、デッキや外で食事を楽しむにも最適。
たくさんの使い方ができるキッチンです。

子供たちが勉強するキッチン横のスタディコーナーは、
記念樹である桜の木に面しています。

四畳半の小上がり畳スペースは、
客間として使用できるほか、洗濯物を広げるなど、広く床を使いたいときに活躍します。
また、掘り炬燵が設置できるので、鍋を食べるときなど、
気分を変えて食事を楽しむことができます。

南に面している明るい浴室は、風通しもよく、
窓からは桜の木が望めます。
春になれば満開の桜を見ながらバスタイムを楽しめます。

また、東側にもウッドデッキがあります。
こちらは水廻りにつながり、物干しなどバックヤード的な使い方もできる便利なスペースです。

2階の子供部屋は中三階の書斎、
さらにロフトを設けたスキップフロア構造になっており、
まるでアスレチックで遊ぶようなワクワクがあります。
また子供部屋にはリビングが見える窓が設置してあり、
家族の気配を感じることができます。

寝室は旅館のような落ち着いた雰囲気で、というお施主さまの思いを、
土色の壁と、畳、障子、天井、組子細工の建具など和の要素で実現。
一方で、回遊型のドレスルームを併設し、整理整頓のしやすさ、機能性も実現しています。

ご実家隣のお庭を利用させて頂いたお家。
家族にとって大切なものを尊重し、計画、デザインしました。
家に寄り添うように庭に生えた桜の木。
季節のめぐりと共に、家族を優しく見守ります。