WISE SCAPE - ワイズスケープ / 福島の木造注文住宅、住宅設計

DIALOGUE020

プランについて part5.

話し手:代表取締役 渡邊

家づくりで大切なのは、設計者を信頼し、自分の暮らし方や価値観をしっかり伝えること。
ただし、細かな指示ではなく、「どう暮らしたいか」を共有することが本質です。
part5では、敷地の特性を活かしたプランの考え方や、調和の取れた住まいづくりについて掘り下げて伺いました。

やっぱりこう、見えないものをお客さまが見るって難しいですね。設計した人の頭の中がなんか全部、そう伝わればいいんだけど。

最初の話に戻るけど、任せるのが1番。任せてかつ、その信頼できる人を探すっていうことです。探したら、もう余計なことは言わないって。

ただ、着物を着ますとか、そういうことを伝えるのはすごく大事。逆に言うなってことじゃなくて。でも、着物を着たいからここを何畳、場所はどこでっていうのは違う。着物を着るんです、着物が好きなんですと。その情報をちゃんと伝えるのが大事だね。あとは、例えば自転車をこういう風に置きたい、自分たちにとって自転車はこういう存在ですとか、そういうのを伝えたり。そういう会話するのは大事。

ただ、そこから箸の上げ下ろしみたいに玄関が何畳だとか、玄関はここの場所にしてくださいとかは全然話が違うってこと。

お風呂が好きだとかお風呂はシャワーだけでいいんですとか、畳が好きですとか、畳はあんま馴染みがありませんとかさ、ピアノ置きますとか、ピアノ持ってます、音楽が身近にあってほしい、本に囲まれていたいとか、そういうことを伝えるのは大事。やっぱり伝えないとダメ。それは。だけどその間取りやイメージで広さとかを規定しちゃうのはよくない。8畳のLDKが絶対とか、とにかく南向きじゃないとダメとか、キッチンは東向き以外ありえないとか。敷地を無視しては×。

一方で家相、鬼門とかね、吉門、そういうのもあるのでね。だけど、それでもやっぱり、敷地っていう絶対条件があるので。

そもそも昔なんてお風呂とかは全部別個ですからね。母屋とね。本当のお屋敷はくっついてますけど。農家さんとかはもう別のとこにありますからね、馬小屋とかに一緒にあるとか、 トイレとかお風呂って母屋とは別にいわゆる離れにあるとかね。

あとはね、薪で炊くわけですから、お風呂。そういうのも踏まえた場所にあるから。それを現代にそのまま持ってきてもうまくはいかないこともあるよね。とはいえね、やっぱりこうね色々あるから、それは全部無視するわけじゃないですよ。

社長も最初は何回も場所に行って、っていうことですよね?

そういう経験があってってことです。あってって偉そうに言うわけじゃないけど、分からないから行く。大体プラン出てこないじゃん。最初は。うん、出てこないっていうか、なんかね、何を見たらいいのかわかんないしさ。

すごく怪しい、うろつける人にならないといけないってことですね。

そういうことです。怪しい人。しゃがんだりとか立ったりとか、今日は夕方来たとか、雨の中来たとか、なんか腕組んで眺めて何してんだとか、道路、敷地の中をぐるぐる回ってると。

でもね、それでわかることもある。最近は少ないけどね、いいか悪いか、お節介な近所のおじいちゃんとかおばあちゃんが出てきて何してんですか?何建てるんですか?とか話かけてきて、その時にさこの辺って夜明るいんですか?とか聞いてみたり。まあ、何聞くかはあれだけど、勝手に話してくれる人もいるし、あそこの人はこうだからとか、ここの側溝はすごい水が溢れるんだよとか。

では次こそいよいよプラン、間取りそのものについてっていうので聞いていきます。

間取りは色々あるからね、例えば水回りは、あまり北に持っていかないとか、なんだろう、「いろは」みたいなのがあるよね、色々。風通しは大事だよとか、キッチンは本当は窓がないとねとか、その匂いとかを排出するのによくレンジフードって言うけど、いや窓ないとって、あるよね。トイレはちゃんと窓つけないととか、換気扇だけでいいとかいうお客さまいるけど。いやいやアパートじゃないんだから、匂いとか色々ありますよねって。風水よりも大事だと思うよって、風が抜けるとかね、 ありますよ、色々。本当に基本的なところは。そういう基本のキとか、いろはのいがね、ちゃんとできないとだめだよね。

家づくりは単に間取りを決めることではなく、その土地の特性を活かし、暮らしの本質を設計に落とし込むことが重要です。
part1から5を通して、敷地条件を最大限に生かすこと、調和の取れた街並みを考えること、
そして住まう人の価値観やライフスタイルを深く理解することの大切さを知りました。
単なるデザインや流行にとらわれるのではなく、
そこに住む人が心地よく暮らせる家とは何かを考え続けることこそ、本質的な家づくりと言えるのではないでしょうか。