WISE SCAPE - ワイズスケープ / 福島の木造注文住宅、住宅設計

DIALOGUE016

プランについて part1.

話し手:代表取締役 渡邊

今回のインタビューでは、渡邊がプランのつくり方から始まり、良いプランとは?、
WISE SCAPEが大切にしている基本的な考え方について伺いました。

お客さまと初めにブリーフィングで打ち合わせをしてから、どういう経過で組み立てていくのか、プランが出来るまでの流れを教えて下さい。

これ、自分たちの手の内をばらすみたいな感じになりません?

そうですよね...どうやって考えていくのかを知りたいなと。

例えば、良いプランってどういうプランだと思うかとか、WISE SCAPEで大切にしていることとか?興味があることからやっていくとか。組み立ててとか...

普通にどうやってプランが出てくるのかっていうのが一番気になっていて。どうやって出てくんだろうって、まっさらな状態から。

一つはね、敷地で決まっちゃうんですよね。本来は、家の形というか、建物全般ですね。やっぱりその場所。これはでも家づくりの思想の根底にあると思うよ。

同じ100坪でも場所と周辺環境。街中なのか郊外なのか、自然豊かな場所なのか、はたまた景色のいい場所なのか、 住宅に囲まれてるのか。だから実はお客さまの要望の前に絶対的に変わらない条件として敷地の状況がベースにある。太陽が東から昇って西に沈むのは日本全国どこに行ったって同じことだから。それも変わらないよね?で、あとはその地域によって、例えば吹き下ろしの風が 冬は強いとか、どっちから吹いてくるとか。例えば海沿いだったら海風が入ってくるとか、川沿いだったら川からの風が上流から下流に向けて、川の流れと一緒に他の地域よりも少し風があるとか、あるよね。

人工的な環境とその自然の環境。だから誤解を恐れずに言うと要望とかよりも前に絶対的なその条件があるんだよ。敷地によって形、フォルムは決まっちゃうんだよね、本来その場所にふさわしい形は。2階建てなのか平屋なのか、平屋でもどういう形なのかとか2階建てでもこういう形なのかとか。本当はね。それがまずベース。あとは街並みもあるよね。例えば街並み保存地区とか高さはこのぐらい、あと表(外)に面するところはこういう風な仕上げにしてくださいとか。京都や武家屋敷とかね。そこまでなくても、周りにそういう伝統的な建物が沢山建ってたりとか。その場所柄の特性。福島県だったら会津若松の市内とかあるじゃない。いわゆる城下町だったと。ほとんどの場所はもう今関係なくなっちゃってるけど本当はそういうものも加味することが大事だよね。

そして、最終的には何回も今まで言ってきたかもしれないけど、新しく建てるんだけど、前からそこにそのままあったような佇まいがベスト。新築なんだけどね。突然現れたっていうよりも、あれ?なんか前からそこにあった?そこにあるのが当然、自然だったかのような佇まいっていうのが1番いい。

そこに溶け込んでるように見えるってことは、さっき言ったような自然条件とか、その周りの景色とかを邪魔してないってことだから。邪魔しないっていうのはすごく大事だと思うよ。

自分たちはあくまでもそこに建てさせてもらうのでね。家はお客さまのものだし、お金を出していただく人のものなんだけど、建物っていうのは住宅も含めて公共性があるはずなんだよね。公共性っていうのは、いわゆる公に供する。だから個人だけのものではないんだよね、本来は。いや、それは建て主さんがお金を出しますよ。土地に対してもお金を出すしそれは個人の所有物なんだけど、でも我々の考えとしては公共性のあるものっていう考え。公共建築物とかは当然そうだけど、よしんば戸建ての住宅だとしても公共性があるってことです。それをお客さまっていうよりも、作り手は忘れちゃいけない。

それが、建物が建ったことによって周りの人が不快になったりとか、日当たりがとかね、そういうのはありますよ。だけど、なんだろう、周りへの配慮がなければ 建築側としては建てさせてもらう資格はないと思うんだよね。

いい意味でこう、目立たない。悪目立ちする、目立つ建物っていうのは住宅としてはどうかなあ。目立たないのが1番だよ。その目立たないっていうのは、設計の手を抜くとは全然違うけどね。 その反対のこと、不自然っていうのは要するに目立つってことだよね。何か違和感がある。兎に角佇まいが自然であること。ぱっと見た時、それをどうやってプランにするかって、答えじゃないですけどベースにはそれがあるってことだから。敷地の条件がそこに絶対的に変わらない条件としてある。

プランについて part2.へ続きます