
DIALOGUE004
注文住宅が向いてる方、向かない方について
話し手:代表取締役 渡邊
前回、社長のお話を伺って注文住宅への熱い思いを知ることが出来ました。
今回は具体的にどのような方が注文住宅に向いているのか、
また逆に向いていないのかを伺いたいと思います。

ー注文住宅でないとダメな人はどんな方ですか?
ん~結構ざっくりとしてますね...二人(※WISE SCAPEスタッフ)が自分たちで今まで見てきて、注文じゃない方がいいんじゃないかな~と思った事ないですか?(逆質門(笑))
ー私はこうありたい、という思いがある方ほど注文住宅向きですか?(質問返し)
そもそも注文住宅とそうではない住宅は、選択の仕方が違いますよね。 所謂型式企画の住宅、分譲建売住宅は現物をみて選べる。注文住宅は現物確認が出来ない。 もう最初から選択の仕方が違うんだけど、それがどっちも同じ見方をされるというか、選択の仕方が違いますよと教えてくれる人も、ところもあまりない(笑)それが実は後々まで落とし穴かもしれない。
そういう前提に立つとまず注文住宅じゃない方が選ぶのは楽ですよ。現物を見て決めれるから。気に入ったらそれが良いと思うし。 結局注文住宅が難しいのは出来てみないと完成形が分からないところだよ。
だから注文住宅が良い方というより...向いている方って言ったほうが良いのかな... もうそれは「任せられる方」になっちゃう。 逆説的ですけど、こうじゃないとだめだ、言う事聞け、みたいなスタンスの方は注文住宅は辞めた方が良い。人を信頼できない方はダメだと思いますよ。

この前(前回)言ったけど、我々は100%以上、120点、150点、それこそ200%の家になるように考えてやるんですけど、お客さまの協力(理解)がいただけないと出来ないんですよね。 注文住宅だからと言って1~10まで自分で全部指示するのではなくて、この人を、会社を信じて任せる!という考えの方はそれはもう200点の家ができますよね。 もちろんこういうキッチンが良いとか、ここに何を置きたい、というようなご要望は言ってもらった方が良いですけどね。 ただ、こちらの提案に対して、重箱の隅をつつくようなことを言われてしまうともうアウトかな...。
こんな暮らしがしたい、とかこんな時間を過ごしたいとか、こういうことを大切にしたい、しているなど一番は価値基準が大事で、和室は8畳ないと駄目とか...こういう間取りでないと駄目だとか...形を指定されてしまうとね... まあ、80点で良いなら、建売、注文でも出来ますけどね。
例えばWISE SCAPEのお客さまの多くは、こだわりがないという訳ではなく、暮らしや生活に圧倒的にこだわりがあって、好き嫌いがはっきりはしていますよね。何でも良いと思ってる訳ではなくて、明確な価値基準をお持ちですよね。 だけど、建物に対してはどうかというと、その辺は違ってわりと何も言わない。ヤマニさんが良いと思ったらそれでいいです。任せます。みたいな...(笑) そういう方は、「大切なこと」=考え方に対する価値基準がちゃんとしていて、はっきりしている。
それは単純に見てくれがいいとか有名だとかいう知名度、まして物理的な物欲でもなくて、時間の質とか、背景とか、考え方とかそういうものですよね。 後はクラフト感、ハンドメイド感。人がつくったものに対する一定の理解、リスペクトですよね。

まあ、例えば、美味しいけど有名チェーン店とかファストフードで食べるんじゃなくて、ん~、街の洋食屋さんとかの手作りの、一定値段が高くてもそっちに重きを置くというか、ただ腹ごしらえするんだったら手っ取り早いところを選ぶのもいいけど、そうではなくて、家族で「美味しい物食べたいよね」ってなった時に、倍の値段を払ってもそういうところの、味はもちろんだけど、食べることによって満たされる気持ちとか、そこで過ごす時間とかに重きを置くような方が注文住宅に向いているんじゃないのかな。
だから、注文住宅が向いてる方はやっぱり価値基準がしっかりしている方ですよね。 他人や世の中の流行り廃りに流されない、自分を持っている、自分たちが大切にすることがちゃんとある、かな。 そもそもオーダーメイドは額面だけみたら安くならないし、時間がかかるし...
車の選択肢と似通っているところがあるかも(笑) 一般的に周りの意見に依存していない。自分の価値基準がある方は一般的に有名なメーカーやただ燃費がいいからとかで車を選んでいない。現にうちにいらっしゃるお客さまのお車は所謂市場のシェアとは全く違いますよね。
その上でですが、注文住宅の場合はやはり依頼先が重要ですよね。そこで8割方決まる。逆に依頼先を決める、というか自分たちの価値基準や思いに共感してくれる、理解があるところを探すのが難しい。今はあまりやってくれる(注文住宅。フルオーダー)ところがないんですよね。ゼロからやってくれるところはほんと数えるほどだと思います。

ー逆に注文住宅に向いてない方は?
ん~仕上がってしまえば、人がつくろうが、機械がつくろうが、工場がつくろうが、同じじゃないかとか、単純に家に対する優先度が低い方とか...。まあ、人の手がつくるということに価値を見出せないとか、短納期でやって欲しいとか... 完成するまでの過程や時間とか、人との関係性とか、ハンドメイドとか、そういうとこに価値基準を持ってない方は難しいと思いますよ。 そこに価値を見出せないので、お金とか時間とかかけられない、だから必然的にそういう方は向かない。
そもそもの考え方、価値基準が違うからいくら言っても注文は難しいかな...。 後は現物で確認したい方は無理。完成形を見ないと納得できない方とか。 注文住宅を現物で確認することは無理なんで。誤解を恐れずに言えば、図面だって細かい寸法は現場合わせだったりするし、その時bestを思えば、例え図面と違っても現場で変えますし。 だってお客さまのこうしたいという暮らしや思いを実現するために作るわけで、それらをより良くするためなら、図面がどうのとかある意味関係ない。自信をもってこっちの方がいいと思えばそうしますよね。逆にそれだけの責任を負ってやるわけだから。
だから余談ですけど、何でもかんでもお客さまに聞かないと出来ません、お客さまが言ったから、というのはフルオーダーの作り手としては半人前です。お客さまの1歩も2歩も先をみてつくっていけるのが一人前ですね。
注文住宅に向いている方は価値基準がしっかりしていて信頼関係を重視する方、
だからこそ依頼先が大事だということを伺いました。
次回は注文住宅について、もう少し深くお話しを伺いたいと思います。
お楽しみに。
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