DIALOGUE010
木材について part1.
話し手:代表取締役 渡邊
今回は、木材についてです。
材へのこだわりや、国産材を選ぶ理由、木の魅力、木への思いについて伺いました。
ー木の扱いで気を付けている事はありますか?
ざっくりしてるな(笑)気を付けてる事?ん~私は大工さんじゃないので...
ーでは、今の材を使うようになったきっかけはありますか?
なぜ国産の無垢材を使用することになったのですか?
丸平木材さんを選んだ経緯やポイントを教えて下さい。
当初は、そう私が大工やってた頃ね。うちの会社も米松・米ヒバ(アメリカの材)も使っていたし、ホワイトウッド(北欧、ロシア)の、そういう外材も使っていてね。 そもそもは、うそかまことか、一定真実だと思いますけど、外材が日本に入ってくるときに検閲があるんでね。燻蒸って言って煙で消毒して虫を殺すんですよ。変な虫が国内に入ってこないようにするために。それが体にいいのか?と考えれば残留農薬じゃないですけど良い訳無いよなって...
そもそも日本に森林資材があるのに何で外材を使うのか?疑問でしかなくて。 外材は燻蒸や、防虫剤、防腐剤が塗布されていて、木材にとって余計なことされているなと...。
さらに調べると、結局は日本で育った木というのは日本の環境に適応しているんですよ。日本の気候に合っている。木は育ったその場所に適応しているから。
そもそも法隆寺建てたときって、今から1500年前とかじゃないですか。 その当時樹齢1000年とか2000年の木を使っているんですよ。という事はその1000年も2000年も前から日本に木が自生していたということ。
まして日本は高温多湿で四季があるじゃないですか、湿気の強さは独特ですよね。だからこそ、そこで育った木を使うのが理想的だし本来最も効率的です。輸送コストだって海外から持ってくるよりもかからないし。
だから、なんで?国産材って、それが自然だからですよ。長い月日をかけて気候に順応してる訳ですから。一番いいですよね。 更に、日本は昔から木造を使いこなす技術があるし、技術力が高い。その技術を高めてきた、支えてきた、養ってきた背景にある国産材を使うのは至って普通。培われてきた知恵、技術を生かすには国産を使うのが自然なこと。普通なことです。
それを超える道理や理由、価値がない限り外国産材を使う理由なんてないですよね。ほんとに日本の資源を使い切ってしまって資源がなくて仕方ない...だったらまだ分かりますけど。
ー国産材の強度は?
強度って、いろんな要素があるから...。構造的な曲げ、圧縮、引っ張り、せん断...。腐朽、耐熱、耐摩耗、耐候...。何をもって「強さ」というか、何を重要とするかで見方も変わる。もっと言えば単位㎏当たりの比較でも変わる。例えば単位㎏当たりであれば、木が一番「強い」。だって木は「軽い」から。また、木の場合はその繊維方向と力のかかる方向によっても強さは変わる。鉄やアルミは熱が加わると強度がすぐにそして極端に下がるけど木はある程度燃えても強度はすぐには下がらないとか。鉄筋は引っ張りや曲げには強いけど圧縮には弱い。コンクリートは曲げには弱いけど圧縮には強い。だから鉄筋コンクリートってそれぞれの良さを掛け合わせ弱点を補っているんだよね。あ、木の話じゃなくなってきた(笑)話を戻して外材と国産材で比べても、ちょっと乱暴に言えば全体的には国産材は「軽い」ので、同じ重さの比較で外材より強い。ただ表面の硬さや曲げ、などの一つの指標だけで見れば外材の方が強いものもあるよ。まあここが木材のやっぱり面白い、というかある面で見れば難しいところで、木材は樹種による違いもあるし、例え同じ樹種でも、産地や育ち方によって違う。個体差がある。一概に「絶対」とは言い切れない。だからこそ「使い手」が重要なのよ。ただ間違いないのは、その場所の風土の中に建物は建っているということ。気温、日照、雨、風、湿度...。それこそ日本の場合は四季折々の中で使われる。強度があってもそれは例えば湿気や腐朽菌に弱いとか、虫に弱いとかではその強度は損なわれるでしょ?やっぱりその土地の気候風土との相性、関係性は絶対無視できない。だから外材よりその場所、地域で育った材だよね。
あとはちょっと余談というかまあ昨今の風潮に物申す、偉そうに(笑)って感じだけど、平屋建てや2階建ての家でわざわざ構造として外材や集成材、コンクリートや鉄骨を使う必然性があるのかなって。理由はありますか?って。住まいを核シェルターみたいにする必要あります?あるのかな?柱のない大空間?ただ広いだけは体育館みたいで気持ちよくもない。地震で倒れるって?外材でも集成材でもRC(鉄筋コンクリート)でも地震で潰れますよ。
そもそも宝物入れる箱って何で出来てますか?木材、無垢材ですよ。燃えてしまうとかいろいろありますけど、じゃあコンクリートで固めるとか?
でもネズミをコンクリートの箱に入れたら死んでしまう。繁殖もできない。木造と比べてみたら寿命が違う。家は人が住む、生活を営む場所。地震、風雨、外の環境からは全く影響受けません、びくともしません。でも中の人は死んでしまいます、寿命も縮みます、人間の五感も鈍くなります、ではそもそも意味がない。素材を活かしてちゃんと堪えられるようにつくる。そこは人間の知恵、作り手の技術だよね。それを素材に責任転換してはいけないんじゃないか、と思います。
更に木造は、特に薬漬けにされていない木材は、ほっておけば何れ朽ち果てる。解体も割としやすい。変な表現だけどね。でもRCや集成材等は腐ることもなければ土に還ることもない。今も昔もこれからも意義のない、魅力の欠片もない建物が簡単に壊すことができないなんてそれこそ不良債権、文字通り負の遺産ですよ。
今空き家が取り上げられるけど、あと何十年か経ったら今盛んに建ててるマンションの扱いが問題になるんじゃない?現に高度経済成長時の集合住宅の取り扱いが問題になってるよね?木造住宅よりはるかに処理が難しいし、難題だと思うよ。現にアスベストとかえらい手間かかるじゃん。当時は国も行政も許可してた材料なのにね。その解体、処理の負担、まあ平たく言えばお金を負担するのは将来の世代だよ。だからある意味「腐る」ということは自然に分解される、土に還る、ということだからそれ自体悪いわけじゃないんだけどね。後世に負担になるようなことは残さないって、とても大切な考えだと思うけどな。
ええと、何だっけ...。そうそう、普通に考えたら人が住む2階建て、3階建てまでなら木、国産材の方が良いし、まして木を扱える世界一の技術を持っているんだから。日本の桧とか杉、松、栗とか世界的に見ても素材として優れている。加工性が良くて、狂いが少なくて、一定水、湿気に強いし強度もある。
そして、これだけの資源量を持っている。ほんとごく自然に。だから国産を使っているんです。逆に言えば住む人にとってもっと良い素材(いろんな意味で)があればそちらを使うんじゃない?変な言い方ですけど、木がありきではない?単純にやっぱりそれ(国産材を使うこと)が自然だし、住む人にも良いし。
ちょっと前から国産材を使いましょうとか、サスティナビリティとかSDGS?循環型社会?...。何を今更。日本は昔から循環型社会ですよ。巷で言われるのは欧米の考えの押し付けでしかない。それに何の疑問も抱かない社会と言いなりな国も含め腹立たしくなる。自然との共生は日本人は元々ちゃんとしてましたけど、少なくともあなたたち(欧米)よりはるか先をいってましたけどと言いたくなる。あんたら(欧米)何様?って。撃たれるか?(笑)
木材について part2.へ続きます
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014
木材について part5.
木材についてのシリーズ第5弾として、乾燥低温の持つ木材本来の特性について、木の色や匂い、靭性といった魅力をどのように生かすか、高温乾燥との違いについて詳しく伺いました。
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013
木材について part4.
「木材について」part4では、木材の選別に対する考え、特に低温乾燥機を使用して品質を保つ重要性や、材木屋さんのこと、個々の木材の「個性」を生かす思いを伺いました。
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012
木材について part3.
「木材について part3.」では、無垢材と集成材の違いや、木材の工業製品化による特徴の変化について代表に伺いました。
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011
木材について part2.
part2.では、国産材と外材の違いや価格変動、国産材不足の背景、木材資源の持続可能性や管理の重要性について代表が語ります。
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010
木材について part1.
今回は、木材についてです。材へのこだわりや、国産材を選ぶ理由、木の魅力、木への思いについて伺いました。
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009
大工について part4.
大工についてpart4、今回で最終回です。最終回では、社長の大工職への思いを伺いました。
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008
大工について part3.
大工さんに向いている人とはどんな方でしょうか?今回は、その適性や現代社会の中で求められる資質について伺います。
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007
大工について part2.
前回、大工という仕事に求められるスキルや、社長が考える理想の大工像についてお話を伺いました。part2では昔と今の大工さんの違いに焦点を当ててお話を伺います。
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006
大工について part1.
前回、社長から注文住宅をつくる上で、大工の腕や技術がいかに重要かというお話しがありましたが、今回はさらに踏み込んで、大工という職業についてお伺いしたいと思います。
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005
注文住宅で大切なこと
多くの方が関心を持っている注文住宅ですが、本質を理解しないまま進んでしまうことも少なくありません。今回は本来の注文住宅とは何なのか...お話しを伺いました。
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004
注文住宅が向いてる方、向かない方について
前回、社長のお話を伺って注文住宅への熱い思いを知ることが出来ました。今回は具体的にどのような方が注文住宅に向いているのか、また逆に向いていないのかを伺いたいと思います。
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003
注文住宅とは
前回はWISE SCAPEの10年間を振り返り、今後の展望についてお話を伺いました。今回は社長が考える「注文住宅」とは何か?、本当の意味での家づくりとは何かを語っていただきます。
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002
WISE SCAPEを立ち上げてからその後
前回はWISE SCAPE誕生までの経過について社長の想いとともにお伝えしました。第二回目はWISE SCAPE立ち上げからのその後を伺いました。
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001
WISE SCAPEが出来るまで
お客さまからよく、社長の思いをもっと外に発信すればよいのに..との声が多々あり、それなら聞いてみようとこの企画が誕生しました。記念すべき第一回目はWISE SCAPEの誕生するまでを伺いたいと思います。