WISE SCAPE - ワイズスケープ / 福島の木造注文住宅、住宅設計

DIALOGUE018

プランについて part3.

話し手:代表取締役 渡邊

前回のDIALOGUE 017では、建築に関して敷地の持つ条件を読み解くことが、設計の出発点であるという話をしました。
今回はその続きとして、どのように敷地の特性を考慮していくかを掘り下げていきます。

それは平面図だけじゃないんだよ。詳細図とかになったってそうなのよ。間取りが決まったとしても、窓の大きさとか窓の高さとか、そういうのはやっぱりその敷地にきくんだよ。人にきくんじゃないんだよ。お客さまに聞くわけでもない。窓とか色々細かいこと。とにかく敷地なんだよ。全て敷地にきく。それが抜けてるよね、今。良くないよね、いかに簡単にやろうかっていうのばっかりなんで。

でもね、その手間、行程は絶対外せない。そんなバーチャルとかgoogleマップじゃ分からないんだよ。写真で見たって。場所に行かないと。行き詰ったら、敷地に行くしかない。例えばこの玄関のデザインどうしようか、とかね。さっきも言ったように、通りに面してんだったらそれも敷地ですよね。通りに面してますって言うんだったら、そこにどう見えていくのかって言った時に、じゃあ、外壁のデザインも含めて、分からないなら敷地にききに行くってこと。そこにヒントと答えがあるから。 悩んでてもその場所に行ったらもう1発で答えが出る、なんていくらでもあるから、そこからこう紐解いていく。そうするとね、実はここまでの話で、お客さまのこと何もない(苦笑)

でも、結果的にそうやって完成したお家はお客さまにとってもいいんです。なぜならば、さっきも言ったように自然なので、光とか風とか街並みとかに調和してるから。結果的にはベストになる。

だから困るのは本当に、注文住宅ってなんですか?みたいな回でもありましたけど、 1から10まで言われたら、なんだろう、敷地の形っていうのはもう絶対無視できないので、それを気にしないで要望だけを入れてたら、本当の意味でbestな家にはならない。

だから1から10まで指定されたら注文住宅ではないし、それがいい家になるっていう保証もないですよね っていうことになる。お客さまの声を聞きたくないってわけじゃない。ちゃんとしたものを作ろうと思ったら、20年、30年、40年、50年、100年...って価値のある建物を建てようと思ったら、出発点はもう本当にそういうこと(敷地との調和)なんだよ。個人の要望ではないのよ。だから我々が土地から相談してくださいっていうのは、逆に言えばそういうこと。

全部繋がってるっていうか、 矛盾は何もない。実は家づくりの全てがそこ(敷地)から出発点だって、窓だって、中のデザインだって、基本はもう自然であることっていう、不自然じゃないこと。違和感がないとか、ひたすらそれです。

最近のお客さまは、後から「こうしてください、ああしてください」って言ってますけど、それは結局お客さまに、敷地条件が1番ですよっていうのが最初に伝わってないからですか?それになぜお客さま自分で書きたくなっちゃうんだろうって思うんですけど。

なんか世の中っていうか時代の流れ?で誰にでも当てはまるような、こう、間取りが並んでて100通りあってこの中から選べますって。でもそれって完全に外の世界と隔絶してるじゃない。 繰り返しだけど本来は外の環境があって、間取りになるのでそんな中で選んだってなんか別になんて言うんだろうね。よしんばプランが1000通りあったとしてもさっきも言ったような外との関係性を考慮されてないんだったら、それはそもそも注文云々の前に「戸建ての住宅」じゃないよ。本当は。何回も言うけど建物っていうのは外との関係性で初めて成り立つし、外との関係性で初めてその形とかがより素敵に見えたりとか、さっきも言ったように自然に調和しててその街並みの中に溶け込んでることによって、その価値が高まったりとか、素晴らしいなと思ったりするので。もう全然違うんだよね、うん。はい、難しいね(笑)

プランについて part4.へ続きます