DIALOGUE012
木材について part3.
話し手:代表取締役 渡邊
「木材について part3.」では、無垢材と集成材の違いや、
木材の工業製品化による特徴の変化について代表に伺いました。
ーじゃあなんで集成材や無垢材でないものを使うんですか?
木は生き物、生ものなので個体差がありますから。そういうのを無くしてつくりやすくするためや一定の強度を求める、個体差をなくして一定の強度を出すためですよね。一定のっていうのは同じ寸法、同じ長さだったら強度が変わらないってことです。それを求めたら工業製品になります。ばらつきを無くすっていう考えですよね。
無垢材は決して均一ではないので、同じ長さ、同じ寸法でも強い材もあれば、相対的にちょっと弱い材もあったり、ばらつきはあります。そのばらつきを無くす為に集成材とかがある。鉄骨と木を混ぜたような材にしたりもあるかな。
まあ国産材でも、ドライングセット?とか言いますけど100℃~130℃の高温で2~3日で乾燥させ、そうすることで表面上の狂いをなくす。そうすると2~3日で出荷できる。そうされた(高温で乾燥された)木材は木材とは言いますけど、語弊を恐れずに言えば本来の意味での木ではないですよ。工業製品ですね。高温乾燥なら表面の狂いは無くなりますが、木が本来持っている特徴は無くなってしまう。
木の持ってる特徴が無くなるという事は、木の良さも一定消えるということ。であれば極論木材じゃなくても良いですよね?別に鉄骨や集成材と変わらないですよね。見た目が木ってだけで。全部を否定しているわけではないですよ。(笑)腹立たしいのはそれを木です、無垢材です、自然素材ですみたいに自信満々に言う人たちがいる事。正直にこれは工業製品ですとか、見た目は木材ですが、無垢材ではありませんとか、ちゃんと言えばいいのにと思うんですよ。何もかもが一くくりにされちゃうと、木にとっても心外だと思いますよ。
例えば自分の子どもと一緒ですよ。個性も性格も違うし、強みもあれば、弱みもありますよね。それが可愛げであったり...。それら含めてその人、子、個性ですよね。それを同じく一くくりにされたら嫌ですよね。そういうのと同じ感覚だと思いますけど。
話を戻せば国産無垢材か、国産でも工業製品化されたものか、外国産材かとどれを選ぶかは当然金額だとか、つくりやすさとかってことになってきますけど...。つくりやすさって簡単ってことじゃなくて、職人が精通している、木材を使いこなせる人がいる、ということ。残念ながら木の使い手(本当の意味での大工さん、設計者含めた木造建築技術者)は少なくなってます。でも、「0」ではない。一定はいるわけだし、そこを目指してる、志のある人も会社もまだ残ってはいる。うちも含め絶滅しそうだけどね(苦笑)そうなったときに、木材という素材を使うんだったら、素材がもっといろんな意味で魅力的になるっていうか、木材が持っている個性、強みが生かされるような使い方をしたいじゃないですか。
例えば、皆さん料理しますよね?今ここに美味しい野菜があったら、その野菜が一番美味しく提供できるような調理方法もそうだし、出荷方法もそうだし、一番いい状態が保っている物が欲しくありません?同じ値段だったら。それと同じ事ですよ。そういうことを考えてたどり着いたのが丸平木材さんであり、今付き合いがある材木屋さんたちですよね。そういう事なんです。
だから木材っていうのは、木造建築、特に住宅建築にとって多くは躯体に使うものですよね。出来てしまえば見えなくなってしまうところ、土台とか柱とか梁とか...。人間でいう骨とか、肉、そういう部分を構成する部分だから当然大切ですよね。だから、与えられた条件の中で、分かりやすく言えば、お金、時間、その中でやはり納得できる品質というかね、信頼できる木材を使いたいってなった時にね、ある一定の材木屋さんになる訳ですよ。
やっぱりね、自分と同じ思想や価値基準を持った人と付き合いたいじゃないですか。まして人の命や財産、一生を預かる家ですからね。いくら言っても興味ない、木なんて何でも一緒だよって方とはやり取りしたくないじゃないですか。それこそミスマッチな話にしかならない。だから丸平木材さんにたどり着いた。
全てが繋がっているんです。ただ何となく選んではなくて、一つの軸に沿ってお付き合いしているんですよ。
木材について part4.へ続きます
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015
木材について part6.
「木材について part6.」では、自然乾燥や低温乾燥の木が持つ本来の特徴と、
それを踏まえた建築の魅力について深掘りします。
癖を見極め、動きを予測しながら家をつくる知恵や、
木材に込められた文化と未来への代表の想いをお届けします。 -
014
木材について part5.
木材についてのシリーズ第5弾として、乾燥低温の持つ木材本来の特性について、木の色や匂い、靭性といった魅力をどのように生かすか、高温乾燥との違いについて詳しく伺いました。
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013
木材について part4.
「木材について part4.」では、木材の選別に対する考え、特に低温乾燥機を使用して品質を保つ重要性や、材木屋さんのこと、個々の木材の「個性」を生かす思いを伺いました。
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012
木材について part3.
「木材について part3.」では、無垢材と集成材の違いや、木材の工業製品化による特徴の変化について代表に伺いました。
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011
木材について part2.
part2.では、国産材と外材の違いや価格変動、国産材不足の背景、木材資源の持続可能性や管理の重要性について代表が語ります。
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010
木材について part1.
今回は、木材についてです。材へのこだわりや、国産材を選ぶ理由、木の魅力、木への思いについて伺いました。
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009
大工について part4.
大工についてpart4、今回で最終回です。最終回では、社長の大工職への思いを伺いました。
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008
大工について part3.
大工さんに向いている人とはどんな方でしょうか?今回は、その適性や現代社会の中で求められる資質について伺います。
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007
大工について part2.
前回、大工という仕事に求められるスキルや、社長が考える理想の大工像についてお話を伺いました。part2では昔と今の大工さんの違いに焦点を当ててお話を伺います。
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006
大工について part1.
前回、社長から注文住宅をつくる上で、大工の腕や技術がいかに重要かというお話しがありましたが、今回はさらに踏み込んで、大工という職業についてお伺いしたいと思います。
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005
注文住宅で大切なこと
多くの方が関心を持っている注文住宅ですが、本質を理解しないまま進んでしまうことも少なくありません。今回は本来の注文住宅とは何なのか...お話しを伺いました。
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004
注文住宅が向いてる方、向かない方について
前回、社長のお話を伺って注文住宅への熱い思いを知ることが出来ました。今回は具体的にどのような方が注文住宅に向いているのか、また逆に向いていないのかを伺いたいと思います。
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003
注文住宅とは
前回はWISE SCAPEの10年間を振り返り、今後の展望についてお話を伺いました。今回は社長が考える「注文住宅」とは何か?、本当の意味での家づくりとは何かを語っていただきます。
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002
WISE SCAPEを立ち上げてからその後
前回はWISE SCAPE誕生までの経過について社長の想いとともにお伝えしました。第二回目はWISE SCAPE立ち上げからのその後を伺いました。
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001
WISE SCAPEが出来るまで
お客さまからよく、社長の思いをもっと外に発信すればよいのに..との声が多々あり、それなら聞いてみようとこの企画が誕生しました。記念すべき第一回目はWISE SCAPEの誕生するまでを伺いたいと思います。