DIALOGUE002
WISE SCAPEを立ち上げてからその後
話し手:代表取締役 渡邊
前回はWISE SCAPE誕生までの経過について社長の想いとともにお伝えしました。
第二回目はWISE SCAPE立ち上げからのその後を伺いました。
ーブランド名を2014年に公表してから今年で10年になりますが、メディアにこれと言って露出していませんが今まで続けてきました。今、社長の想いは達成されておりますか?
どうだろうな...(笑)会社というのは波があるから...。でも、やり始めた頃からしたら達成している。当時はギャラリーの建物なんて想定もしていなかった。必死だったからね。ただ、達成って収益性?それとも建物の品質とか?停滞はしていない、と思いたいけど、実際はどうかなあ...。なかなか話しづらい質問だけど(苦笑)
じゃあ事業性とか収益性ではなく、あくまで建物の質という部分だけでみればあくまで個人的な感覚では何回かピークがあって、2010年が最初のピーク、結晶の家(伝統的木造建築)が出来たときですね。あの年の建物のクラス感、内容とそれを実現する技術力。今あってもそん色がない。そういう家。引き込みの木製サッシなど当時普通にチャレンジしたからね。
次が2013年。西中央のコンセプトハウス完成。2010年には構想があって、出来上がるまでには震災があって2年位遅れてしまいましたけどね。次はそこからの流れで2014年かな。木材をはじめとする素材、プラン、外観のフォルムはもちろん細かいディティール含めたデザインのバランスの良さ。それらを形にする技術。とにかく様々なことが高いとこでバランスよく融合していたと思うなあ...。それから2016年ギャラリー完成、それで一つの区切りですね。
こういうと今がダメみたいに聞こえるけど、そういうわけではなくね。ただ、時代の流れで、最近は木材に限らず良い材料が手に入らなくなってきて...。単価も上がり...。とはいえ今までが安すぎた、という面もあるから...。
いずれにしても以前と同じ内容、セットでつくることすら簡単ではなくなってきている。そもそも作り手、それも木材を使いこなせる作り手が、ほんとに少ない。高齢化もあるし、若い人がいないものあるし。大工さんも設計者もね。木の使い方、扱い...。これらを世代を超えて伝えていく、再現性を持たせていく。かつ収益もあげて...。ほんとに難しいですよ、それは大きな課題としてあります...。
ー結局、WISE SCAPEとは?
お客さまの感じる提供価値、競争力みたいな部分が、なんだろうね、あると思うんですよね。この事業名(WISE SCAPE)で10年やっていますけど、世の中にリリースした後、そんなにメディアに出てないですけど。
ホント木の家、素敵な木の家他にもありますけど、長くやっていても模倣されにくいというのは、他ではできないでしょうね。表面で見えているところ以外の部分がね、あると思いますよ。WISE SCAPEに依頼してくれるお客さまに提供価値が伝わっているか...は難しい。
分かりやすくないから真似されにくいけど、伝わりにくい、再現性が低い、社内でも伝わっているか...。真似されにくいということは、伝わりにくいってことですよね。
ブランドイメージとしては、一定成功しているとは思いますよ。時間ってなんだかんだ言って大切ですよね。10年の蓄積があるので。どこか歯を食いしばってあくまでフルオーダー、高単価なままやってきています。フランチャイズとか、一定商品を買ってくるとか、プラン集からつくるとか、それで安くしたり簡単にしたり売りやすくしたりなど表面上やることは簡単ですが、今度はプレーヤーが増えてライバルも増える。
そこではどう売るかが問題になる。もっと言えば今はどっちかと言えば土地を仕入れて、分譲して、とにかく土地の競争力、土地で売れるようにしたりする。それってもはや家がどうの、建物がどうのよりも、もう土地だけの戦い。土地が良ければ売れる。そうなるともう建築屋ではない、よね‥‥。ただ、そういう所謂商品、企画住宅、型の住宅とか土地で勝負とか、我々がそもそも目指しているわけじゃないからね...。そういう方向性、そこが本流ならWISE SCAPEはつくってないし、大工さんも建築の技術者も必要ないよね...。
高単価、フルオーダーは逆にどうつくるかが大切になってきます。図面やデザイン、求められる品質を実際につくる力。収益性も含め、とにかくつくる力、技術が問われる。受注すれば売れば終わりじゃなくてそこから品質も、利益もお客さまの信頼も何もかもが、実際につくって稼ぎ出すものだから。そりゃあ難易度が高いし色々ある。だからある意味競合は他者というより「自分たち」になるのかもね。かっこよく言えば。まあそんなきれいなことばかりじゃないけど(笑)まあ、社長や企業それぞれの考え方、目指すこと、方向性の違い、ということかな...。
ーお客さま(客層)は変わりましたか?
いい意味でデザインが1,2段あがっている感じ。まあ西中央で変わった部分があります。西中央(以前のコンセプトハウス)が出来る前は、あくまで素。ナチュラルな感じ。西中央が出来てより洗礼とまでは言わないですけど、より心地良さに重きが置かれた?木が全面に出ない、木は使いたいけどシンプルな、スマートな感じ→バランスが良い。ギャラリーが完成してもっとアッパーな感じになった。ただバランスが良いのは西中央でしょうね。家として。
WISE SCAPEが10年を迎えた今、お客さまの信頼を築き上げることの重要性を再認識しました。
次回は社長が考える「注文住宅」とは何かを詳しくお伝えいたします!
-
014
木材について part5.
木材についてのシリーズ第5弾として、乾燥低温の持つ木材本来の特性について、木の色や匂い、靭性といった魅力をどのように生かすか、高温乾燥との違いについて詳しく伺いました。
-
013
木材について part4.
「木材について」part4では、木材の選別に対する考え、特に低温乾燥機を使用して品質を保つ重要性や、材木屋さんのこと、個々の木材の「個性」を生かす思いを伺いました。
-
012
木材について part3.
「木材について part3.」では、無垢材と集成材の違いや、木材の工業製品化による特徴の変化について代表に伺いました。
-
011
木材について part2.
part2.では、国産材と外材の違いや価格変動、国産材不足の背景、木材資源の持続可能性や管理の重要性について代表が語ります。
-
010
木材について part1.
今回は、木材についてです。材へのこだわりや、国産材を選ぶ理由、木の魅力、木への思いについて伺いました。
-
009
大工について part4.
大工についてpart4、今回で最終回です。最終回では、社長の大工職への思いを伺いました。
-
008
大工について part3.
大工さんに向いている人とはどんな方でしょうか?今回は、その適性や現代社会の中で求められる資質について伺います。
-
007
大工について part2.
前回、大工という仕事に求められるスキルや、社長が考える理想の大工像についてお話を伺いました。part2では昔と今の大工さんの違いに焦点を当ててお話を伺います。
-
006
大工について part1.
前回、社長から注文住宅をつくる上で、大工の腕や技術がいかに重要かというお話しがありましたが、今回はさらに踏み込んで、大工という職業についてお伺いしたいと思います。
-
005
注文住宅で大切なこと
多くの方が関心を持っている注文住宅ですが、本質を理解しないまま進んでしまうことも少なくありません。今回は本来の注文住宅とは何なのか...お話しを伺いました。
-
004
注文住宅が向いてる方、向かない方について
前回、社長のお話を伺って注文住宅への熱い思いを知ることが出来ました。今回は具体的にどのような方が注文住宅に向いているのか、また逆に向いていないのかを伺いたいと思います。
-
003
注文住宅とは
前回はWISE SCAPEの10年間を振り返り、今後の展望についてお話を伺いました。今回は社長が考える「注文住宅」とは何か?、本当の意味での家づくりとは何かを語っていただきます。
-
002
WISE SCAPEを立ち上げてからその後
前回はWISE SCAPE誕生までの経過について社長の想いとともにお伝えしました。第二回目はWISE SCAPE立ち上げからのその後を伺いました。
-
001
WISE SCAPEが出来るまで
お客さまからよく、社長の思いをもっと外に発信すればよいのに..との声が多々あり、それなら聞いてみようとこの企画が誕生しました。記念すべき第一回目はWISE SCAPEの誕生するまでを伺いたいと思います。