WISE SCAPE - ワイズスケープ / 福島の木造注文住宅、住宅設計

DIALOGUE011

木材について part2.

話し手:代表取締役 渡邊

part2.では、国産材と外材の違いや価格変動、国産材不足の背景、
木材資源の持続可能性や管理の重要性について代表が語ります。

なぜ他社は国産材ではなく外材を使うんでしょうか?

当時は安く手に入るし、大量に手に入るし。まあ裏とってないから分からないですけど...一定押し付けられてたんじゃない?アメリカとかに押し付けられた。そうじゃない?小麦だってオレンジだってそうじゃないですか。国と国の繋がり?補助金出すからと言われて...押し付けられた?そんなもんじゃない?

後は安いという利点もあるんじゃないかな?まあウッドショックで高くなって、関税が上がったら、途端に国産材に切り替えましょうって。それにかこつけて日本の資源使いましょうとか。だから理由なんてほとんどは安いかどうか、だけだよ。

他の会社でも国産材にシフトしているんでしょうか?

一定あるんじゃないかな。現に弊社の長年お世話になっている材木屋さんにも知らない関西や九州の会社さんから今までにない問い合わせがきている、きていたみたいですよ。

現在は外材の方が高い?

以前よりは高いでしょう。円安だし輸送コストも上がってるし。昔は日本の方が購買力があって、価格交渉でも強気だったから安く買えてたけど、今は何でも買い負けというか...そういうのあるんじゃないかな。

外材は今も入ってこないんですか?

今はそんなことないんじゃない?ロシアの材は入りにくくなったと思うけど。本当はアメリカよりもロシアの方が近いし良いと思うけどね。でも、逆にいうと、寺社仏閣とか、現在は国産材で出来なくなってきちゃってる...。

どうしてですか?

だってもう材がないからですよ。 日本は杉の80年、100年の資源は沢山あるけれど、300~400年以上の材は途端に備蓄が無くて...。循環的に育ててこなかったからね。

本当の寺社仏閣をやるとなると数百年程度の材が必要で、太さも必要だし。木って自分の樹齢分は少なくとも強度が落ちないんですよ。ちゃんと管理された使い方をすると。寺社仏閣というのは原則300年400年を考えて造る建物だから、そうなるとその樹齢分の木が欲しくなるけど残念なことに日本になかなか無い。

じゃあどこにあるか?っていうと、今あるのは台湾くらいらしい。だから薬師寺とかね、再建したときに使ったのは台湾の木ですよ。樹齢1000年の。今はまだ台湾にあるのかな?今は造れてもこの先はどうなっていくか分からないですね。木ってすぐに使えるものじゃないんで。

そうやって社会として資源を守っていく仕組みが昔の方があったんだろうけど、今は無い。 今はまだ資源はいっぱいあるけれど、使い切っちゃったら無くなりますよね。使いたいけど無いって、次の世代の人たちにはそういう時代がきてしまうんじゃないかな。 そもそも山の担い手がいない。守り育てた人達がいなくなるってことは...

杉の木ってほっといてちゃんと育つものじゃなくて、人工林が殆どだから。枝打ちしたり、ちゃんと日が入るように間伐したりして、その場所で育てる木を決めて、育てていくわけですよ。ほっておくとやせ細った建築材として価値のない物になってしまう訳ですよ。山にも光が入らなくなり痩せてしまうし...。

もっと大事に、真剣に考えないといけないと思います。なんか社会批判になってますけど、ほんとに真剣に考えないといけない。再生可能エネルギーとかいうけど、そもそも、なんだろうな...本当の意味で再生可能な循環型、環境的な土台になるものを考えないと...。太陽光なんてどこでも誰でもいつでもつくれるものをせっせとつくっても仕方ないと思います。

まあ話を戻せば、私の考え、うちの考えは、ごく自然に、普通に真面目に建てようと思ったら別にその他の選択(国産の木材を使わないで家を建てる)をすることが逆に分からない。という事です。

別にね、私は特別なことをしているとは思わないんです。ほんとに思っていない。逆算して、住む人にとって心地よくて、気持ち良くて、安心で安全で。一色単に言ったら「気持ちいい」みたいなこと考えてったら、どう考えたってやはり国産の無垢材なんですよ。

木材について part3.へ続きます