WISE SCAPE - ワイズスケープ / 福島の木造注文住宅、住宅設計

INTERVIEW

011.ものづくりを愉しむ家

福島市の閑静な住宅街に建つMさま邸は、おおらかな片流れの屋根に、左官仕上げの白と板張りの木の色とえんじ色が見事に融合した外観が印象的です。実はMさまは2回目の家づくりです。2回目になる家づくりを、なぜ弊社に依頼してくださったのか??その経緯を伺ってきました。

変わらずに漆喰や無垢材を使った家に住みたい

Mさまの1度目の家づくりは、とある自然素材を使用した工務店。お子様のご病気がきっかけで、自然素材を使った家にしたい、健康に良い家に住みたいと、それらが叶う工務店で最初の家を建てたといいます。ただ、道路拡張による立ち退きの地域であったことから、十数年住んだ家を泣く泣く明け渡すこととなります。漆喰の気持ちよさや無垢材の心地よさ、薪ストーブの温かみを体感し、変わらず漆喰や無垢材を使った家に住みたいと、再び家づくりをスタートさせました。 最初の家を依頼した工務店は、近くの支店が撤退したことなどもあり、最初から他の工務店を探そうと決めていました。弊社のことはとある住宅情報誌から知り、ギャラリーの見学にいらして頂きました。「贅沢な空間で、正直私たちでは建てられないだろうねと思っていました。ただ、漆喰や無垢材など、自分の好きな感じが随所に見られて、すごく素敵だと思いました」と話すMさま。

検討中だった土地をベースに一度プランを書いてもらうことに(担当デザイナーは皆川)。最初のプランが出てきたとき、正直大きすぎる規模の家だったといいますが、それを踏まえての2度目のプランで一目惚れしたといいます。「2度目のプランで大体の外観と、家事導線などは出来上がっていて、多少の変更はありましたけど、ベースとなる形が2度目のプランで完成していました。とにかく私たちの生活を一所懸命に考えてくれていることが、プランからひしひしと伝わってきました」と話します。

また、デザイナーが打ち合わせから設計まで担当する事も前回の家づくりと大きく違う点だったといいます。「私たちが最初建てた家は、設計士さんと窓口が違かったので、要望を伝えても、設計士さんに聞いてみますといってすぐに通らなかったんです。でもヤマニ建設はデザイナーと直接打ち合わせをするので、私たちが及ばざるプロの目線できちんと、いいものはいい、ダメなことはダメ、例えば...、耐震性に関わるから無理は無理なんですってはっきりと言ってくれたから、どんどん要望を話しやすかったです」といいます。直接デザイナーと話し、考え方や価値観を共有したことで、信頼関係へと繋がっていきました。 プランから伝わる一所懸命な思いや信頼が大きな決め手となり、弊社への依頼を決断してくださいました。

程よい距離感の設計

2度目の家づくりという事で、1度目の家づくりで良かったという、2階のスキップフロアを活かし、1階のリビングの天井を高くした開放感のあるLDK、家相を意識した設計を取り入れながら、そのうえで、Mさまが叶えたかったこととを融合し、家づくりが進められました。 その一つが、同居するお父様との程よい距離感を考えた設計でした。以前はリビングの扉を開けるとすぐにお父様のお部屋でしたが、今回はLDKの隣にありつつ、ちょうどよく壁を設置する事で、お父様の息遣いを感じつつ、寂しくないように、ただ程よく距離感が取れるようなプランに。Mさまは「本当に上手く設計してくれたなと思いました。少し距離が出たけど、今までよりさらに仲良くなった。前の家での経験があっての家だなと思って、本当に家は大事だと思いました」と話します。

打合せ中の印象深いエピソードをお伺いすると、外観についてのとあるエピソードを教えて頂きました。 「完成してから主人と、片流れの外観も上手くやってくれたねと話していた時に、打ち合わせの際、前の家を建てた時に片流れの大屋根の家に住みたかったんだという話をさらっと話したことがあったよね、そういうのも聞いていてくれていたんじゃない?と。完成してから気づきましたが、そういった細かいことも考えていてくれていたんだと思いましたね。近くを散歩する人にも素敵な家ねと言われます」と話す奥様。

細かな言葉も拾い上げ、設計にさりげなく取り入れ形にしてくれているところも、自分たちの事を一所懸命に考えてくれているというのが伝わってきたと話します。

お互いの信頼関係

最後に家づくりを考えている方へ、こんなアドバイスを話して頂きました。「例えば、インテリアが好きな人は、自分の手持ちのインテリアや、こういうインテリア系統がいいという、好みや要望は伝えた方がいいし、インテリアよりも機能性や導線重視の人だっているだろうし、それともコンパクト住宅とか色々...。とにかく自分のコンセプトが明確になってない人は相談するといいと思います。餅は餅屋じゃないけどプロだから。そして、人生で何千万っていう大きい金額なので、やはり信頼関係だと思います」と話すMさま。

家でどんな風に過ごしたいのか、何を大切にしているのか、お客様を知るところから家づくりは始まります。そこにはお互いの信頼関係が欠かせないという事を、インタビューを通して改めて感じました。言葉にならない希望や好みを拾い上げ、形にした住まいが完成しました。

レザークラフト職人である奥様のアトリエ。
玄関から、クローク、アトリエ、
その先のキッチンへと繋がります。
材料を置いたり、収納としても活躍しているそう。
造作のキッチン。
クローズドなキッチンで、手元を隠しつつ、
小窓からリビングダイニングが見渡せるので、
家族やお客様と話しながら作業が可能。
「友達からもカフェみたいと言われます。と奥様。
キッチンから続く家事室。
キッチン、家事室、浴室まで直線に繋がり、
スムーズな家事導線になっています。
室内用物干しハンガーバーや、
幅と奥行きのある広々としたカウンターを設置。
自然光の入る明るい造作洗面台。
鏡の両端はスライド式で、中には小物が収納可能。
グレーのタイルと木の組み合わせが爽やかな印象に。
前の家から移設した薪ストーブ。
柔らかな暖かさで心地よい空間に。
煙突は中3階のフリースペースへと繋がり、
家全体が暖かくなります。
中3階のフリースペース。
南東向きで日当たりが良く、
様々な使い方のできる空間です。