INTERVIEW
009.猫と暮らす家

今回は郡山市の閑静な住宅街に建つ2018年に完成したMさま邸です。ロの字型をした完全中庭型のMさま邸は、現在6匹の猫が一緒に暮らし、家の中を自由気ままに歩き回り、思い思いの場所で寛ぎながら、ゆったりと心地よく過ごしています。猫を第一に考えた家づくりについて、お話を伺いました。
決め手は価値観や考え方の共感

これまで転勤により、各地を転々としていたMさま。漠然といつかは家を建てたいとの思いをもっていましたが、転勤のため、中々建てることが出来ずにいました。そんな中、ご主人が郡山市で定年まで勤めることとなり、念願の家づくりを考え始めます。はじめからハウスメーカーの建てる家は考えていなかったといいますが、その訳を「やっぱり猫のお家を建てたかったので。そうするとどうしても型式住宅ではなく、注文住宅に。そして人間もそうだし、猫の為にも自然素材の木造建築がいいなっていう、漠然とした思いが昔からありました。」と話すMさま。郡山市で自然素材を謳っている建築会社をいくつか見学し、話を聞いた会社もあったそうですが、自分たちの考えと合わず、建築会社を決めかねていたそう。そんな中で、ご主人が、10年以上前に弊社が掲載された建築雑誌を思い出し、一度見学してみようと、ギャラリーの見学に来ていただきました。

弊社に依頼して頂いた決め手をお伺いすると、弊社の家づくりに対する価値観や考え方への共感が大きかったといいます。Mさまは、イタリア車をこよなく愛していらっしゃいますが、その魅力を、普遍的なデザインで、何年乗っていても、古さを感じず、いい意味で不便なところが魅力になっているとおっしゃいます。
それは、これ見よがしなデザインを嫌い、あくまでも自然で、普遍的なデザインを追求する弊社の家づくりに対する考え方にも通じる部分があります。そんな弊社の家づくりや木に対する考え方、価値観が一致した事が決め手となったようです。

さらに、土地探しも並行して行っていたMさまですが、土地の候補をいくつか挙げて相談した際に、すぐに現地まで足を運び、色々とアドバイスや意見をもらったそう。プロから見たアドバイスや、素早く行動にうつしてくれる対応、考え方の共感など含めて、「人柄に惚れ込んだといっても過言ではない」と奥さまは話します。色々と建築会社を見た中で、その中でも自分たちのイメージする自然素材や完全オーダーメイドの注文住宅、雰囲気が一番良く、そしてなによりも弊社の家や木に対する価値観や考え方に共感し、依頼して頂きました。
「猫の家に人間が住む」というコンセプト

また、Mさまの家づくりのキーワードは「猫」ですが、最初の打ち合わせの際に、「猫の家に人間が住むというコンセプトにしてください。」と要望したところ、それをさらりと「わかりました。」と受け止められたことがMさまの印象に残っているそうです。 猫を最優先にという考えを担当と共有し、完全中庭型の設計や、吹き抜けからそのまま2階まで繋がるキャットウォークなど、打ち合わせが進められました。

一方で、猫以外の部分に目を向けると、木の質感を現し、掘りごたつの座卓があるリビングや、格式高い和室など、和の雰囲気が印象的なMさま邸。和室について伺うと、奥さまが着物を着る時や客間などとして使っているそう。和室の奥が襖で区切られているのも奥さまからのご要望でした。
「あれは箪笥部屋なんです。昔お茶を習っていた時の先生のお宅の和室が襖で区切られていて、そこを開けると板敷きの細い部屋があって、箪笥が並んでいたんです。昔はこういうお家がたくさんあったと教えてもらったのを、覚えていて、和箪笥を置くスペースを作ってくださいとお願いしました。」と奥さま。実際に見せて頂くと、落ち着いた色味の和の空間に和箪笥が並び、どこか懐かしいような、ほっと落ち着ける空間が広がっていました。
建てた後も想いが叶えられるのが本当に良い所

本が大好きだというご夫婦のご要望で設けられたライブラリースペースは、完成した時は棚のみでしたが、さらに快適に暮らすため、扉を追加したり、風通しを良くするために、玄関から入る建具に、格子だけの建具を追加したそうです。
「こうした方が良かったなというのが出てきても、想いが叶えられるのが、ヤマニさん(本社名)の本当に良い所で。多分ハウスメーカーだと難しいですよね。」と嬉しいお言葉を頂きました。
最後にこの家の本当のオーナー達(Mさま談)を紹介します。


壁にはピクチャーレールがあり、
奥様が趣味の絵画を飾っています。
まるで美術館のような空間に。

座卓が掘りごたつになっているので、
足を下ろして寛げます。
庭に面する窓を開けると、開放感があり、
住んでいる人だけが楽しめる
プライベートな中庭が広がります。

「春夏秋冬があって、水が流れる音がして、
癒されますよね。どの部屋にいても庭が目に入って、
見る角度によって違った表情を見せてくれます。」とMさま。
猫ものびのびと楽しそうに遊んでいますね。

IHとガスの両方を備え、料理によって使い分けが可能。
ビルトイン型の食洗機とオーブンはミーレ。
庭の景色を楽しみながら、
集中して料理を楽しむことが出来ます。

パワフルで、家全体が一台で暖まります。
炎の揺らめきに、
「ずっと眺めていられますよね、
癒されます。」と奥さま。

吹き抜けに面する襖戸を開けると、
キャットウォークがこちらの寝室まで繋がり、
猫が行き止まりなく、家全体を歩けます。
また、広々とした書斎スペースが寝室にあるため、
それぞれ個室の時間も楽しめます。