INTERVIEW
005.世代を融合した家
今回のインタビューはEさま邸です。オーナーさまの中にはご存じの方が多くいらっしゃるかと思いますが、奥さまは弊社で9年近く働いておられました。「ああ!あのEさん!」と多くのオーナーさまが懐かしく感じていらっしゃると思います。
一番大変だったのは、価値観の違う世代と一つの家を考えることだった。
のどかな自然に囲まれた場所に建つEさま邸は、玄関を入ってすぐの南に面する大開口と明るいダイニングが印象的なお家です。中央に玄関を配置し、鳥が翼を広げた姿のような外観。配色はご主人のお気に入りです。1階ダイニングは、南に面した窓により明るく開放的になり、奥のキッチンまで光が入ります。
Eさまが家づくりを考えたきっかけは、ご主人のご実家が震災で半壊になってしまったことでした。ご主人のご両親が住んでいた家は古く、冬は厳しい寒さがご両親の負担になることや、いずれ自分たちが一緒に住むことを考え、リフォームではなく家を建て替えることに決めます。奥さまが弊社で働いていたことや、ご主人がよく見学会に足を運んで下さっていたこともあり、建て替えを弊社に依頼してくださいました。
まずは、当時福島市西中央にあった弊社のコンセプトハウスへ、ご両親を連れてご見学に来ました。初めて弊社の建物を見たご両親の印象は、決して良いものではなかったそうです。2階にお風呂があることや、段差が多いことなど、全体的にご両親の思うお家のイメージと異なり、同じような間取りで設計されてしまっては不便だ、と誤解されてしまったようです。その後、瓦屋根や漆喰壁などを取り入れた他のオーナーさまのお宅を見学して、ご両親の印象はだんだんと良い方向へと変わっていきました。
いよいよ本格的に打ち合わせが始まりますが、「契約直前に計画をいったん白紙にしようとした」と、当時を振り返り、Eさまご夫婦は語ります。理由は、ご両親との意見の相違。よく知らない会社に新しい家を任せることへの不安から、ご両親は渡邊(現社長)に直接電話をかけ、思いをぶつけることが何度かあったそうです。
家相についてや要望・疑問など、意見のすれ違いは続き、このままでは家づくりを進めることができないと一旦時間を置くことに。「家づくりで一番大変だったのは、価値観の違う世代と一つの家を考えることだった」とEさま。しかし、時間を置いてもEさまご夫婦の弊社で家を建てたいという気持ちは変わることなく、打ち合わせを再開。無事に着工へと進むことができました。
家が建てられていく様子を毎日見ていた。それが安心感につながった。
ご両親の「家の中央に玄関を設けたい」というご希望を叶えるために、インナーガレージを採用。間取りも昔の家に近づけるよう北面に水廻りを設置するなど、ご両親のご希望も取り入れつつ、ご夫婦のスペースである2階はご両親との程よい距離感がとれるような設計に。
建て替え前の家に使われていた柱や梁を、解体時に保管し、新しい家では神棚や仏間の柱に活用しました。思い入れのある古材の再利用はご両親に大変喜ばれ、弊社を信頼してくださる一因になったそうです。
システムキッチン天板はお手入れが楽な天板一体型にしました。造り付けの食器棚は作業台としても活用できます。ストレスなく料理をできる広いキッチンは奥さまのお気に入り。掃除しやすく、みんなが使いやすいキッチンを実現しました。
他にも、仕切り扉は敷居の要らない吊り戸にするなど、Eさまご家族のこだわりが詰まったお家はこうして完成しました。実は、ご両親が家づくりに関して何も言わなくなったのは上棟式を行った頃でした。
Eさまご夫婦は、「現場監督並みに家が建てられていく様子を毎日見ていた。それが両親の安心感に繋がった」と当時を振り返ります。優しいご両親は、現場の大工にお昼ご飯をご馳走してくださることもあったそうです。
大工の一生懸命に家をつくり上げていく姿や、人柄・技術力を実際に見たことで、安心して任せられると感じていただけたのでしょう。お母さまは漆喰の壁がお気に入りで、ぬくもりのある家をとても喜んでくれているそうです。「インナーガレージも最初は反対していましたが、今では便利そうに使っています。」と、ご主人も嬉しそうに話してくださいました。現在、ご主人の仕事の関係でご夫婦は別の家に住んでいますが、いつかこの家に住むことを楽しみにしているそうです。
最後に、これから家を建てる方へのアドバイスをお聞きすると、打ち合わせが何よりも重要であるとのことです。早い段階から希望や意見は伝え、少しの疑問でも打ち合わせで解決しておく事が家づくりをする中で重要なことだと言います。インタビューを通して、家族・家への愛情、弊社が建てるお家が好きだというEさまのお気持ちが伝わり、非常に嬉しいインタビューとなりました。