WISE SCAPE - ワイズスケープ / 福島の木造注文住宅、住宅設計

INTERVIEW

004.木造を感じる家

福島市の住宅街にAさま邸はあります。外観は白く美しいかきりしんの外壁に、シンプルなストレート瓦屋根の落ち着いた雰囲気。中に入ると大きな吹き抜けを中心にダイニング、リビング、キッチン、和室がつながる開放的な気持ちの良い空間が広がっていました。1階の床材にはヒノキ材が使われており、特有の爽やかな芳香に包まれます。元気一杯の2人の男の子にも迎えられ、和やかな雰囲気の中でお話を伺いました。

一度白紙になったが、再び依頼したいと思った。

家づくりのはじまりは、Aさまご夫婦がご結婚した2012年に遡ります。ご夫婦は2人で住む新居を探しましたが、当時は東日本大震災の直後という事もあり、良い条件のアパートはなかなか見つからなかったそうです。ひとまず、ご主人が借りていた築40年のアパートに住むことにしましたが、できるだけ早く家を建てようと考えるようになりました。

翌2013年の春には、総合住宅展示場で様々な住宅を見回りはじめました。その中で、ご夫婦の共通の好みが無垢材や漆喰などの自然素材を使った家であることがわかりました。そんな時に購入した住宅情報誌の1ページ目の写真と添えられた言葉に目を引かれます。それがWISE SCAPEとの出会いでした。

Aさまが初めて弊社を訪れた際に対応したのが渡邊(現社長)でした。お互いの家づくりに対する想いを話し合う中で、それまでに見た住宅会社とは違うものを感じたそうです。

その後、オーナーさま邸見学会や、理想をヒアリングしていく中で、弊社に任せたい想いは強くなりましたが、他の大手メーカーの方が良いのでは?という周囲の意見があり一度白紙になります。

なかなか住宅会社が決まらずに悩んでいた時にばったり会ったのが、前回のインタビュー(003.桜の木がつなぐ家)でご紹介したNさまでした。

Aさまご主人とNさまご主人は地元の先輩後輩の関係。Nさまが弊社で家を建てたことをAさまはご存知でした。Nさまの家を拝見し、お話を聞いて、やはり弊社がいいと改めて感じてくださったそうです。

「一度断ったうえでまた依頼するのは気まずかったのですが、あえて明るく電話しました。電話に出た渡邊さんは『う~~ん、とりあえず一度お話ししましょうか』と渋い口調ではありましたが、本心は戻ってきたことを喜んでくれたはず(笑)」とご主人は当時を振り返ります。その後の打ち合わせでしっかりと話し合ったうえで、家づくりを進めていくことになったのは2014年の夏のことでした。

納得いくまで打合せをしてもらえて本当に良かった。

設計は皆川が担当しました。「最初の図面からとても良かったです。その後も度重なる私たちの要望を辛抱強く聞いてくださり、しっかり形にしてくれました」とAさまは言います。打ち合わせを重ねる中で10回近く図面が変更されました。

ご主人も夜な夜な自分で図面を書いては渡邊から「もう書かないでください」と言われるほど、家づくりにのめりこんでいたようです。Aさまがこだわった点は、吹き抜けのある開放的な空間と、キッチンから家全体が見わたせる間取り、円テーブルを置けるダイニング、家族が一緒に寝られる8畳の和室でした。実際に、夏になると2階から1階の和室に寝床を移しているそうです。お子さまもお友達やご親戚に「お布団の引越ししたんだ!」と話すなど、この時期を楽しみにしているそうです。

最後に「納得いくまで打合せをしてもらえて本当に良かった」とご夫婦が笑顔で仰ってくれました。ご家族の思いやこだわりが詰まったAさま邸。家づくりに真剣だったからこそ、中々会社が決まらなかったり、思い通りにならなかったりしても、最後まで妥協することなく家づくりを進められたのでしょう。

帰り際に、お子さまがビーズで作った小物をプレゼントしてくれました。インタビューを通し、Aさまご家族の温かさを感じ、それが家にも表れているような気がしました。今後もAさまご家族の歴史とともに、ますます魅力的な家になっていくことでしょう。