WISE SCAPE - ワイズスケープ / 福島の木造注文住宅、住宅設計

INTERVIEW

007.今でも、一番の家

今回のインタビューは福島市の閑静な住宅街の中にあるWさま邸です。2014年10月の完成から7年が経過しましたが、白いかきりしんと、板張りの外壁は時を重ねても色褪せず、選ばれた素材にしかない経年美を感じさせます。ご主人が入れてくださった深煎りのコーヒーをいただきながら、お話をうかがいました。

入った瞬間すごく素敵だった

Wさまが弊社に依頼するきっかけとなったのは、弊社が建てた家で開催された料理教室でした。※ちなみに、その料理教室の先生も弊社でリフォームさせていただいたお客さまです。

「入った瞬間すごく素敵だった」と当時を振り返ります。

木の香りや家の明るさ、実際の住宅で使用されているのは初めて見たという薪ストーブも印象的で、「もし自分の家を持てるとしたらこういう家にしたい」、「いつかこんな家に住みたい」と思ったことがきっかけだったそう。料理教室の先生からも、弊社に依頼した経緯や仕事の丁寧さを聞き、「ここに任せれば大丈夫」と感じたと言います。

こうして弊社に依頼してくださったWさまですが、家づくりを始める際にまず伝えたのが、明るさ、風通し、掃除のしやすさでした。

玄関から入ると吹き抜けのある明るいLDKが印象的なWさま邸。奥さまが、「食」をとても大切にされていることから、家の中心に回遊式のアイランドキッチンと、ダイニングを設けています。上部は吹き抜けで、南側には特注の大開口木製サッシ。広々と明るい空間は、上下階の窓から日差しが燦々と降り注ぎ、無垢の床がさらに気持ちよく、冬でも暖房入らずです。

一方リビングは、敢えて広さよりも落ち着きと安心感を重視して計画。小上りがDKとの適度な距離感を作り、窓からの視線の抜けが心地よさを生み出します。リビングに続いて設けた畳の間は、季節や節句の飾り、そしてちょっとした休憩スペースとしての役割も。

また、LDKには奥さまが一目惚れしたという薪ストーブ。通称「みにくいアヒルの子」が採用されています。実はこちら、WISE SCAPEギャラリーの玄関土間にあるものと同じ薪ストーブです。

「形やデザインが可愛くて、大きさもあまり大きいと暑すぎてしまうので」と迷うことなく、決められたそうです。一目惚れだった薪ストーブがもし壊れてしまったら、次の薪ストーブにはきっと悩んでしまうと話すほど、お気に入りの一台に。

デザインの力

さらに風通しについても、こんなエピソードを話してくださいました。奥さまのご実家が、窓が少なかったこともあり、最初の設計の段階からとにかく風通しのいい家にと話していたWさま。当然、窓の役目がより大切になりますが、打合せの際に「ここの窓は隣のりんご畑が見えるようにしました」、「ここの窓からは吾妻山が見えますよ」など、ただ風通しのためだけに窓を設けるのではなく、窓から見える景色さえも計算しているのだと、Wさまは驚いたそう。

現在リンゴ畑は伐採されてしまいましたが、リンゴの白い花が咲いたとき、赤い実がなった時が特に綺麗だったといいます。

また、掃除のしやすさを考え、洗面所のすぐ横にあるトイレの中には洗面はいらないと思っていたWさまですが、担当者に「お客さまが使う洗面と家族が使う洗面は絶対別のほうがいい」と言われたことや、「冷蔵庫は人目に付かない場所のほうがいいですよ」といったアドバイスがあったりと、自分たちでは気づかないことも含め、「住んで、暮らしてからのこと」を先読みするきめ細やかさに、これが「デザイン」なんだと驚くことが多かったそう。

奥さまを中心に家づくりの打合せを進めていたそうですが、ご主人からの希望は建具の高さと書斎でした。

ご主人は190㎝以上と長身のため、最初の設計の段階に「屈まなくても通れる高さにしてほしい」と、話したそうです。

書斎に関しては「身長が高いから机はこの高さにして欲しいとか、足元に窓を付けてほしいとか、窓の上に本を並べたいから棚を作ってくださいとか、イメージを伝えて、その通りに作ってもらったから、100%満足しています」と、にこやかに話してくださいました。

やっぱり自分の家が一番

最後に、これから家を建てる方へのアドバイスをお伺いすると、「とりあえずヤマニさん(本社名)に頼んでおけば大丈夫だと思います」と、弊社への信頼の一言が。

「家の中の木の香りとか、やっぱりそういうのが良いですね。もう当たり前になっていて自分たちは分からなくなってしまったけど、たまに来る人には木の匂いがしますねと今でも言われます。新しい家を見れば、いいなあと思うこともありますが、やっぱり自分の家が一番」とはっきりと話すWさま。

こんなに嬉しい言葉は他にありません。お忙しい中、快くインタビューにご協力いただきましてありがとうございました。

アプローチから繋がる南向きの玄関は明るく、
かきりしんで仕上げた外観が美しいです。
吹き抜けで広々としたLDKが奥さまのお気に入り。
大開口のダイニング窓は、明るさ、風通しも良く、
心地良い空間に。
DK横の小上りリビング。
今はお子さまのスペースとして、
ここで勉強したり、遊んだりしているそう。
奥にはこもり感のある和室が。
奥さまお気に入りの薪ストーブ。
通称「みにくいアヒルの子」と呼ばれ、
丸く可愛らしいフォルムで、小さくても十分、
家中が暖かく快適に過ごせる。
北側にスタディコーナー。
北からの柔らかな光はもちろん、
風通しにも一役買う効果的な窓も設けられており、
落ち着いた使い勝手のよいスペース。
奥に見えているのは、
ご主人の書斎に設けたお気に入りの大容量本棚。