WISE SCAPE - ワイズスケープ / 福島の木造注文住宅、住宅設計

INTERVIEW

012.ひろびろガレージの家

今回のインタビューは、2022年に完成したNさま邸です。広々としたガレージをはじめ、ガルバリウム鋼板やそとん壁、杉板など、様々な素材で仕上げた外観が特徴的です。眺める場所によって印象が全く異なり、わくわくするようなお家が完成しました。弊社への第一印象を「いいもの感」と話してくださったNさま。弊社へ依頼いただいた経緯や住まいに対する価値観、お気に入りの場所などを伺いました。

おしゃれさと実用性を備えた、普遍的な「いいもの感」を感じた

地元・福島市への転勤をきっかけに家づくりを始めたNさま。様々な住宅メーカーを見学し比較検討するにつれ、木を使った家・明るい家などの方向性が決まる中、弊社インスタグラムの広告を見てご来場いただきました。「もう4年になるのかぁ」と、当時を懐かしむようにご夫婦の和やかなやりとりからインタビューは始まりました。

自他共に認める車好きのご主人は、ギャラリーの印象についてこう語ります。「最初はちょっと行ってみようかぐらいの感覚だったんですが、ダイニングの大開口に驚きましたね。明るい家が良かったので、これいいなって。あと、これは書かないでほしいんですけど(笑)」「書かないでほしいなら言わなくていいんじゃないの(笑)」( 奥様)「 車の話なんですけど(笑)、イギリスのレンジローバーの内装って、木とレザーでできてるんです。イギリス車は木と革みたいな感じなんですけど。なんて言うんですかね、古臭すぎない、なんかモダンクラシックみたいな。ギャラリーも、なんかちょっとスカッとした、埃っぽくないおしゃれ感を感じたんですよ」。

また、「重ったるすぎず、おしゃれさの中に実用性があって、かつ自分が年を重ねても違和感がないという意味で「いいもの感」を感じました。そこからは他の会社は考えなかったですね。もう、どハマりしました」と、嬉しいお言葉を頂きました。奥様は、「今どき感もあるけど、いい意味での、おじいちゃんおばあちゃん家感。おしゃれだけど、他にはなくて、友達の家でもなければ自分の実家でもない感じがすごく素敵でした」と話してくださいました。また、N様は過去にデザイン住宅や設計事務所なども見学されていましたが、「思わずおしゃれになっちゃった、が良かったんです。最初からおしゃれな家に住むと少し気負いそうで」とご主人。するとすかさず「ワイズさんがおしゃれじゃない訳ではないです(笑)」と奥様。気さくなお二人の軽快な掛け合いに思わず顔がほころびます。

さらに、ご主人は「注文住宅にこだわっていたわけではなく、たまたまWISE SCAPEさんがそういう会社さんだったという感じです。いわゆる『総合住宅展示場』も見たんですが、誤解を恐れずに言うとト○タのディーラーみたいで(笑) 安くて壊れにくいし、分母が多いから何かあっても安心だし。それでも、やっぱり自分たちはWISE SCAPEさんにビビッときました」。

日本の気候で育った木を日本の家に使う、ということ

そんなNさまは、当初、国産材を使うことには特段こだわっていませんでしたが、弊社代表の渡邊からのひと言が印象深く、国産の無垢材を使った家づくりが決め手の1 つになったそう。それは、「日本の気候で育った木を日本の家に使うのが1 番いい」ということでした。

ご主人は「乾燥させて製材しちゃえば物質的には変わらないんじゃないかと思っていたんですが、日本車が日本で壊れにくいのは、日本の過酷な高温多湿の中で開発されたからだと思うんです。海外の車は日本に持ってくると必ず変なところが壊れるんですよ。だから、家も同じで、日本で育つ木の方が良いのかなと思って。成川(なりかわ)のお家の構造を見学した時、柱とか梁とかがすごく立派で。ワイズさんの建てるお家から感じる目に見えない骨太感は、こういうところからなんだなっていう気がしましたね。ギャラリーにお伺いした時に、すごく強固な箱の中に入ってる感覚がしたんですよ」と、こちらも思わず「なるほど...」とうなずけるお言葉を頂きました。

ギャラリーにご来場いただいてから約1年にわたる土地探しを終えると、図面や仕上がりなどの打ち合わせを重ねていきました。当時のエピソードで印象的だったことをお伺いすると、親身に、真摯に対応してもらったことだと奥様は言います。「例えば車屋さんだと、あなたは買えません、みたいな、流されるような雰囲気がある中で、WISE SCAPE さんはすごく親身に相談に乗ってくれました。金額面でもはっきり言ってくださったのが素敵だなと。これ以上はダメと言ってくれる安心感があって心強かったです」と、当時を思い返しながら話してくださいました。

また、ご主人は、金額面でガレージを諦めそうになった時のエピソードが印象深いとのこと。ガレージを諦める旨を伝えた際、改めて渡邊に「お家でやりたいことは何ですか」と聞かれ、やっぱり大好きな車をいじりたい...と打ち明けたそう。これを機に、諦めずにガレージを建てる決意をしたと言います。「できるだけ安くお願いして、色々考えて提案してもらったのが一番印象に残っています。結局少し予算オーバーしたんですが、(笑) でも今思うと、建てて本当に良かったと思います」。

自分たちが求めるもの

晴れて完成し、お引渡しから2年が経った今の正直な感想を、とお尋ねると、まずはWISE SCAPEさんで家を建てたことが何より良かった、という大変有り難いお言葉...。そして、洋服や食器などをすぐにしまえる家事動線に助かっているとおっしゃっていました。そのため、急な来客時もすぐに対応できているそう。また、2階に配置した水まわりは、実は新築完成見学会で実物をご覧になったのがきっかけなのだとか。見学会は「絶対に行った方がいい」と話してくださるNさまには、計7回の完成見学会に参加いただきました。

「見学会を通して、伊達(だて)のお家で見た2階のお風呂のように、良いなと思うこともあれば、うちはやらないかも、と思うこともあってすごく参考になりました。例えば4畳分は想像していたよりもずっと大きく感じたりして。壁もサンプルの大きさと実物だと色合いが違って見えたので、機会があれば実際に見るのが間違いないと思いました」と奥様。また、ご主人からは、2階のお風呂について「防犯面から安心感があって、先日息子と入った時は窓を開けて入りました。気持ち良いですよ」という感想を頂きました。

リビングの木製サッシについては、実際にすきま風はあるという率直なご感想を頂きました。これに対しご主人は「絶対的な機能はやっぱり樹脂サッシがいいと思いますが、今のところは何も気にならないかな。これはもう完全に、求めるものですよね。1年間住んで、全部開ける時間は1時間前後ですが、できるかできないかが大事で。たまに全部開けると、すごく気持ちいいなって思います。使っていて、今のところは自分たちが思うメリットを上回るデメリットはないかな」と話してくださいました。

「人」が造る家に住む

最後に、お二人の一番好きな場所を伺うと、奥様は「LDK と玄関、あとは造作家具です。LDK は、キッチンにいてもリビングにいる家族の様子が分かるので安心です。玄関はベビーカーを押して入れるくらい広いので助かっていますね。造作家具は、他に家具が増えないので物も増えないからさっぱりするし、かつ収納力がすごくあるので」と話します。そしてご主人は「一番はガレージですが、(笑) 家の中で言ったら階段踊り場の本棚の前かな。もうあそこを通るだけで気分がいいですね。生まれてから今日まで溜め込んできた自分の車の雑誌が全部あるので。それを見ながら、子供の頃はこの雑誌を見てこの車を欲しいって思ったな、とか、昔ってこんな中古車安かったんだな、とか、その時間が結構好きです。あ、当然リビングで家族と過ごす時間も好きです(笑)」と話します。

実はこの本棚、Nさまからのオーダーではなく、弊社が「勝手に」プラン、デザインしたもの。「勝手に」というと語弊がありますが、ご主人が⾧年収集している雑誌を沢山お持ちであることや、東から十分に採光がとれ、かつ常日頃の生活導線を邪魔せずに、「階段の途中」という特別感のある気持ち良い場所になりうることなど、家全体の構成と敷地条件、そして住まい手の大切にしていることなどをそれまでの対話や些細なことから読み取り、そして完成後までも想像してつくられたプランでありデザイン。それが実際に住んでみると、住まう人にとっての「一番好きな場所」になる。これこそ、私たちが最も大事にしていることであり、オーダーメイドデザインの真骨頂。そのためにも、お客様が安心して任せてくださるお互いの信頼関係が必要不可欠で、それを築いていくことは、全てのお客様に対して弊社が何よりも大切にしていることです。

Nさまへのインタビューから強く伝わってきたのは、「 家をつくる人」に対する想いでした。「1軒1軒違う家を大工さんが作るうえで、家中の細かい部分から、誰かが作ったんだな、工業製品じゃないんだなっていうのが感じられます。その度に、大事にしようって思いますね」というお言葉を頂きました。

「家をつくる人」の技術や可能性を信じてくださったおかげで、Nさまが思い描いていた以上に豊かな空間や時間をつくることができました。今回のインタビューを通して頂いたお言葉は本当にありがたく、かつ、身が引き締まるお言葉でもあります。効率を求めて量産せず、お客様一人一人と真摯に向き合い、その先の豊かな心地よい暮らしを見据えて造ることを目指す弊社として、今後も頂いたお言葉に恥じないお家づくりをしてまいります。Nさま、快くインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。

「漆喰の壁やオニグルミの床は、最初こそ傷を気にしていましたが、子ども達が付けた思い出だと思うようになってからは気にならなくなりました」(ご主人)
「ミーレのオーブンは、庫内が自動できれいになる高温洗浄機能が助かりますね。多機能なのでこれから使いこなしていきたいです」(ご主人)
ご主人がお気に入りの場所に挙げてくださった階段踊り場の本棚。⾧年収集している車の雑誌がずらりと並んでいます。
「リビングの隣にある小上がりは、空間の緩衝材というか、部屋全体に変化を持たせる感じが良いですね。出産後はずっとここに寝ていました。あって良かったです」(奥様)
「今は子どもの物が閉まってあります。リビングの容積もここで調整していて、調整ため池みたいな感じです(笑)」(ご主人)
「夫がガレージから戻ってくる時は、毎回「よかった、ほんとよかった。寒くないし、暑くないし、よかった」って言いながら帰ってきます」(奥様)
「来る人みんなが良いねって言ってくれます。私が欲しいものが全てそこに行けばある。それはすごく良いなって」(ご主人)
「知り合いから譲ってもらったボルボのエンジンカバーで、玄関に鍵かけを作りました!」(ご主人)
「大工さんが見たら「ここに穴開けちゃダメ」って言われるかもしれないねって言いながら作ったね(笑)」(奥様)
「生活感というより、道具感。そういうのが楽しい」と話すご主人。このお家での暮らしを心から楽しまれているようで、私たちも嬉しくなりました。