WISE SCAPE - ワイズスケープ / 福島の木造注文住宅、住宅設計

INTERVIEW

013.中庭と回遊する家

今回のインタビューは、M様です。 郡山市の川沿いに立つM様邸は、緑豊かな環境に、薄っすらと緑がかった黒い外観が印象的な、落ち着いた重厚感のある佇まいです。1階で主たる生活を完結でき、中庭を中心に回遊できるM様邸の家づくりについてお話を伺いました。

お子様の誕生を機に始まった、理想の住まいづくり

M様が家づくりを考えるきっかけとなったのは、お子様の誕生でした。お子様の成長と共に、アパートでの生活は周りに気を遣う事から、気兼ねなくのびのびと子育てができる環境にしたいと、家づくりを考え始めます。 まずは、近くで開催されていた大手ハウスメーカーのオープンハウスを見学に。その見学が家づくりを考えるきっかけとなりました。当時郡山市では、新築のマンションが続々と建ち始めていた時期でもあったため、一度マンションの見学にも行きましたが、基本的に集団での生活になることから、気を遣いながらの生活はアパートと同じになってしまうと感じた事、駐車場の確保や通勤に時間がかかる事、長期的な管理費なども考え、やはり戸建てにしたいと土地探しからはじめることに。

弊社の事は、とある家づくりの雑誌から知っていただきました。「その本を買って掲載事例を一通り見たんですが、正直ピンとこなくて...。年を取ってからも住むことを考えると、流行り廃りがないシンプルなデザインにしたいと考えていました。」と話すご主人。どうしようかと、再度その本を開いた時に、2ページ目に見開きで掲載していた弊社の広告を見つけました。「写真の雰囲気が良く、中にさらに詳しい情報があるのかともう一度見てみましたが掲載が無かったので、その情報の少なさに興味がわいて調べたのが最初でした。」と話してくださいました。 初めてギャラリー見学に訪れた際、軒が出ていて、新しい中に日本家屋の雰囲気も感じられるような木材の見せ方、そのバランス、シンプルなデザインに、とにかく好みに合うと、弊社に依頼することを決断されました。

デザインだけでなく、「人」に惹かれて建物の美しさの奥にある、職人たちの姿

決め手はギャラリーのデザインと雰囲気だったM様ですが、その後家づくりを進めていく中で、思いがけない発見がたくさんあったともおっしゃいます。

「元々のヤマニ建設という母体の感じもまた良かった。会長の職人気質なところだったり、(墨付けから仕上げまで担当した)菅野大工の静かで素朴で黙々とやる感じだったり。建物の雰囲気だけではなく、会社全体の雰囲気や働いている人の雰囲気など、全体的な良さがあった。長い間住むので、何かあった時の安心感は大手のハウスメーカーにはない所だと思いました。」と話します。 「会長の昔の写真が掲載されたゆめみらい(弊社機関紙)を見た際、会長が前の目立つところではなく、後ろの方に写っている写真や、一代で築いた職人気質なところもまた良さを感じました。上棟式の時も大工さんに紛れて、「いい家になりますよ」って言っていましたね。」と印象に残っているエピソードを話して頂きました。 余談にはなりますが、年に4回発行している弊社機関紙の「ゆめみらい」についても、楽しく読んでいるとのこと。スタッフや新入社員の紹介、M様が「大人なページ」と話す渡邊(社長)のコラムなど、届くのを毎号楽しみにしているとのお言葉は、私たちにとってもとても嬉しいものでした。 建物のデザインや雰囲気に加えて、会社や働いているスタッフといった全体の雰囲気の良さや安心感はその後の信頼へと繋がりました。

信頼の中で形になった、唯一無二の住まい

家づくりの中で参考になったのは、オーナー様邸の見学でした。実際に住んでいるオーナー様の話を参考に、洗面台には病院用の大きく深い洗面やタイルを採用しました。窓から光の入る明るい洗面台は、2種類の質感が異なる白いタイルに、紺色のタイルがシンプルな中にアクセントを加えています。オーナー様から、良かったこと、こうすればもっと使いやすかったといった体験談を自分たちの家に活かせたことは大きかったと話します。

また、M様邸は浴室や寝室に面する部分に中庭を設け、窓からの景色を楽しめるように、そしてダイニングからは、緑地の借景を取れるよう大きな掃き出し窓に、緑が豊かな環境を活かした住まいとなっています。自然に溶け込むように家が存在していることが希望だったM様は、いたるところに植栽を取り入れました。植栽の剪定や芝生の管理は、自分の思い通りにいかないことも多いといいますが、それも含めて楽しんで生活していると話してくださいました。

最後に、M様に注文住宅の価値をお伺いすると、「家に帰ってきて落ち着ける空間が欲しいと考えていたので、自由度が高く、やはり自分が一番住みやすい空間を作れるということが良い所だと思います。また、家族が色々と変化してくので、それを見据えて、間取りなどを作っていける点に良さを感じます。そのときの家族の状態に合わせるだけではなく、長い目で見たときの生活に合わせて作れたり、ライフプランに合わせて考えたり出来るという点も良い所ですね。」とのお言葉。また、インタビュー中、「とても満足している」との言葉がありました。満足できる家づくりに大切なことはという問いには、「自分がやりたいことをきちんと伝えることではないでしょうか。きちんと伝えたことをきちんと受け取ってもらえるのが良かったです。そして工務店側の思っていることと、施主側が思っていることのギャップがあることが多いので、それを埋められるように、その時その時きちんと納得して作れるというのが良かったと思います。自分が伝えたことがうまく形になっているので、住んでいて楽しいです。」と話して頂きました。 自由度が高く決まった間取りもない反面、現物を見て建てることができないオーダーメイド住宅は、形がないからこそ、誰に、どこに依頼するかで何もかも決まってしまいます。 そしてその出来を左右するのは、作り手、住まい手、お互いの信頼関係に他なりません。M様のお話から、改めてそれを感じました。まして家は、建てる前よりも建ててからの方が長いものです。間取りやデザイン、機能だけではなく、信頼という形のないもの、そういった視点から家づくりを見てみると、新たな発見や思いがけない出会いがあるかもれません。 M様のお話から、改めてそれを感じました。

天窓を設けたパントリー。天窓からの自然光で明るい雰囲気で、開放感もあります。玄関からキッチンまでの裏導線にもなっています。
白をベースに、一部の壁はアクセントでブラウンのタイル、天井を桧で仕上げた造作の浴室。窓からは中庭の植栽が見え、開放感のある一日の疲れを癒せる空間に。
リビングダイニングに隣接する書斎。扉を閉めると完全な個室になります。造作の本棚も備え付けてあり、収納力抜群。 リモートでの仕事にも活用できます。
インナーガレージから屋根伝いに続く玄関。インナーガレージは譲れないポイントだったという奥様。雨の日も傘を差さずに玄関まで移動でき便利。
キッチンの後ろに設けた中庭。中庭を中心に回廊式の設計になっています。「これは渡邊さん(現社長)の提案でした。中に光を取り入れるために、中庭というオープンなスペースを作った方がいいのではないかという話があり、私たちでは想像もつかなかったので、提案頂き良かったです。」とM様 。
M様ご要望の落ち着いた黒い外観。たまたま見つけた石の色が気に入り、その雰囲気に似るよう少し緑を混ぜ、色を調整しながら作られました。どこにもない色でお気に入りと話します。