COLUMN

‘make scene’ 景色をつくる、家

08 プライベートな「景観」を持つこと。

私たちWISE SCAPEは、ブランド名に「SCAPE」を掲げるほどに、「景観」を大切に考えています。なぜなら、家づくりを行うということは、すでにそこにある景観を家にどう取り込み、また、その景観と家をどう調和させるかを考える仕事でもあるからです。

そんな家づくりの中で、私たちが力を入れていることのひとつが庭のデザイン。これまでも、地域の気候や自然を知り尽くした庭師の方々と手を組み、さまざまな庭をご提案してきました。

以前、桜や梅の古い木が生えている敷地で、新築のご依頼をいただいたことがありました。このとき、伐採してしまえば簡単に済むところを、私たちは、その木々を活かした新しい家をご提案しました。これは、私たちの庭に対する考え方を象徴するエピソードと言えるかもしれません。

私たちの庭づくりには、「すでにそこにある景観をいかに活かすか?」という視点があります。朝日の昇り方、夕日の沈み方、風の吹き方、空や森や山の見え方などをしっかり把握し、ときには、近隣の植栽や田園風景までも借景として取り込み、暮らしの中に、どんな美しい景観をつくることができるか、工夫を凝らす。それが私たちの庭づくりなのです。

もちろん、庭は職人の知識と意匠と技術でつくるものです。でも、お引き渡ししたあとに生まれる景観の変化は、自然の力との共同作業。木々の成長、葉の色の変化、花咲く季節の彩りは、時を重ねるごとに、季節を繰り返すごとに、味わいを深めていきます。

植物の生育、発芽、新緑、開花、紅葉などをイメージしながら、この世にひとつしかないプライベートな「景観」を持つことこそ、庭造りの醍醐味です。

だから、私たちは、さまざまなスタイルの庭を学び、その家のかたちや住む人の希望、敷地・環境に合った庭づくりをご提案しています。

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庭の魅力は目で楽しむだけのものではありません。例えば、下記写真の建物では空間全体で「音」にフォーカスしており、室内でもテレビやオーディオを置かず、暖炉、ピアノなどをメインに据えたリビングをご提案しています。こうしたコンセプトに合わせて、庭には人工の小川をつくり、開放的なデッキからせせらぎや風の音を取り込めるように工夫を凝らしました。

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四季折々の変化を、五感で楽しむ贅沢。庭づくりとは、プライベートな「景観」をもつということでもあるのです。