WISE SCAPE - ワイズスケープ / 福島の木造注文住宅、住宅設計

COLUMN

04.
外観と景観

WISE SCAPEでは、家の外観を「景観」としてとらえてデザインしています。
分譲住宅やマンション、賃貸住宅など、住み方が多様化している現代。
「一国一城」などという感覚で家を建てる日本人の数も時代とともに少なくなってきています。

それでも、時間と手間とお金をかけて、一戸建ての家を建てる意味とは何なのか。
私たちは、「自分の家をつくりたい」と願う多くのお客様と向き合う中で、ひとつの答えにたどり着きました。

家はただの建物ではなく、家族と生活の拠点になる存在です。
そこで過ごしている時間はもちろんですが、仕事や学校、あるいは旅先などにいる時間も、常に意識の中にある「帰るべき場所」をつくることこそが、家を建てる意味なのではないでしょうか。

だからこそ、ただ思い浮かべるだけで安らぎを感じ、遠くから眺めるだけで豊かな気持ちになれるような、「景観」をつくりたいと想うのです。
この考え方がわかりやすくかたちになっているのがこの家です。

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見晴らしのいい丘の上に建つその姿が、家路につく家族のみなさんを遠くから暖かく迎え、足取りを軽いものにしてくれたら。そんな想いを込めて、一つの景観としてデザインしました。

これはほんの一例ではありますが、緑豊かな田園の中でも、狭小な住宅地でも、周囲の環境と調和する佇まいを考え抜いて、それまでもずっとそこにあったかのような、自然な佇まいをデザインすること。
季節の移ろいも、周囲の環境の変化も、窓から漏れる灯りの温もりさえ視野に入れながら、時代を超えて美しいと感じられる家をつくり、「帰る場所」と、「帰りたくなる風景」を描いていくことこそが私たちの仕事だと考えています。

言葉で語り尽くすことが難しいお話だとは思います。
でも、私たちがつくってきた家を見ていただければ、きっとその意味が伝わるはず。
景観をデザインすることの大切さと、「帰りたくなる風景」を持つことの価値を感じていただけたら幸いです。