COLUMN

‘make scene’ 景色をつくる、家

10 光のデザイン......暮らしを照らす「名脇役」。

今回のテーマは「光のデザイン」。つまり、照明のお話です。
WISE SCAPEでは、家づくり全体を通じて、住む人がやすらぎを感じられる、落ち着いた空間をご提案したいと考えています。照明や採光は、その目的を果たすためのひとつの要素。あくまでも「脇役」としてどうあるべきか......という視点が重要になってきます。

もちろん、「脇役」だからといって、手を抜いていいというわけではありません。なぜなら、照明の善し悪しは、空間の居心地そのものを左右してしまうほど重要な存在だからです。
問題は、「主役」である住む人の暮らしをメインに据えたとき、その心地よさをどう引き立てられるか......
その答えを見つけるためには、さまざまな工夫が求められ、造作の埋め込む照明はもちろん、ダウンライト、ペンダントライト、ブラケットライトなど、全ての照明を、その家の空間に最適なかたちや角度を考え抜いて、丹念にデザインしています。

私たちが照明について強く意識するのは「明るさ」と「高さ」。WISE SCAPEが目指す「心地よい空間」をイメージすると、天井付けの蛍光灯では光が強くなりすぎてしまいます。空間を落ち着かせる光は「やわらかく、低く」が基本。住む人の暮らしをそっと照らす。帰ってきたときにほっとする......そんなやさしい光の演出を意識しています。

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また、照明は、点灯しているときだけをイメージしたデザインでは意味がありません。自然光や隣室の灯りとの関係性を考えながら、点けたとき、消したとき、それぞれに生まれる陰影の美しさまでも計算に入れています。

こうした光に対する考え方のルーツは、日本の伝統的な空間づくりの中にあります。電気による照明は、日本家屋の基本的なスタイルが完成してから、遥か後の時代に誕生したもの。私たち日本人の暮らしは、元々、蝋燭や灯明の光とともにありました。だから、伝統的な設計・デザインを下地に持つWISE SCAPEの家には、蝋燭や灯明の光に近い、やわらかくて低い照明が心地よく調和するのです。

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光をデザインする上で、もうひとつ重要なことがあります。それは、空間それぞれの役割にあった光をつくること。キッチン、リビング、寝室......それぞれの空間で生まれるシーンに相応しい光をつくり、明暗のコントラストをつけて暮らしを彩る。日中は自然光だけで過ごせるように窓や障子を取り入れる。こうした細やかな工夫の積み重ねが、日々のシーンの「名脇役」をデザインするコツなのです。

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【明るすぎず、暗すぎず、集中力を高める照明配置のスタディールーム】


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【アッパーライトの柔らかい光が、訪れる人を優しく迎える】


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【ゆらめく暖炉の焔を活かす、照明の設計】