WISE SCAPE - ワイズスケープ / 福島の木造注文住宅、住宅設計

COLUMN

05.
迎え方、送り出し方を考えてデザインする玄関。

外観が家の印象をつくる「顔」だとするなら、玄関は訪れる人とのコミュニケーションをつくる「あいさつ」のようなものではないでしょうか。

仕事や学校から帰ってきた家族をどんな風にねぎらいたいか。
お招きしたお客様をどうお迎えしたいのか。
その気持ちを表現する空間こそが玄関。
だから、WISE SCAPE では、その家でどんな人の流れが生まれるのかをしっかりと読み解いた上で、一つひとつの玄関をデザインしています。

例えば、このお宅の玄関。

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路地から入る玄関と、庭への出口を土間でつなげ、サイドには自転車や道具類を収納するストックヤードと小さな客間兼茶室を配置。
また、この玄関と土間が、リビングと庭、客間、作業場を切り分ける境界にもなっています。

これは、自転車と茶道を趣味とするご主人のご希望と、リビングとは別の空間でお客様をお迎えしたいという、おもてなしの精神をかたちにしたもの。
自分自身や家族、お客様に対して、どんな心配りをしたいのか? その気持ちが個性豊かで機能的な玄関のかたちにあらわれた好例ではないでしょうか。

お客様をたくさん迎えるのなら、広々とした明るい空間を。
年配の方が訪れる機会が多いのであれば、からだに優しい高さを。
庭での作業があるのであれば、作業場を兼ねた土間スペースを。
家族が自転車を愛用しているなら、外からフラットにアクセスできる導線を。
......と、そのかたちも、家の数だけ、暮らし方の数だけ、考え抜いてデザインすべきです。

また、玄関はそこに住む家族、親しい友人や大切な知人だけでなく、ときには招かれざる来訪者さえも触れる場所。
だからこそ、「ここが自分のホーム(拠点)である」という安心感が大切になります。

帰ってきたとき、その佇まいを見ただけで安心できる。
出かけるときは、「よし行くぞ」という気持ちにさせてくれる。
そんな場所であってほしい。

どんな玄関で、どんなコミュケーションをつくりたいのか。
どんな迎え方、出かけ方、送り出し方をしたいのか。
まずはあなたのイメージをお聞かせください。